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新しいパソコンかったどうぅ!
でも、引っ越しがうまくいかないぞぉぉぉぉ!
それが、ソフト音痴(作者)クオリティー!
「はあ? 僕がアホウ? 何言ってんのヒルダ。僕はこの国の侯爵令嬢である身内の心配をしてるんだ。そこに仕えている者は、例え命を賭して……」
バキッ!
再び僕の言葉を遮ったのはヒルダの拳。
「てぇぇぇな! いくら婚約者だろうが隣国のお姫様だろうが、僕に……」
ボキッ!
殺気をダダ洩らして立ち上がろうとした僕を、ヒルダは容赦なく身体強化もしていない体で殴り倒し、
さらに、床に倒れ込んだ僕に馬乗りになって、
バキッ! ドコンッ! ボクッ!
拳を振るい続けた。
イライラしてるとこに、婚約者からの理不尽な暴力。
「ヒル……ダ……お……前……」
さすがに頭に来た僕は反撃してやろうと隙を伺うが、
ぽたりっ。
殴られ続け熱を持つ頬に、不意にひんやりとしたものが、
ぽたり、ぽたり。
ひとつ、ふたつと落ちてきた。
「このバカもんが! ヌシは、お主様は、こんな大事な時に心乱しおって! 挙句の果てに、魔法しか能の無い女に、こんなに良いように殴られて……こんなの……こんなのわっちが好きな! 大好きな主殿ではない! お主はただのタワケじゃ! アホウじゃ! トンぬらじゃ!」
感極まって、よく分からない文句を言いながらも、彼女の頬を伝い絶え間なく頬に落ちてくる雫で、僕の頭は冷やされ、
拳を止めた彼女が、
「うわぁぁぁぁぁぁん!」
彼女が僕の胸に泣き顔を押し付けた時には、もう冷静な自分を取り戻していた。
「うぅぅぅぅ。主殿……主殿……」
僕の胸に体を預けながらも、ぽくぽくと胸を叩き続けるヒルダ。
珍しく取り乱した彼女に、さっきまで取り乱し放題だった僕は苦笑しながらも、
「ごめんヒルダ……君にサイコーにカッコ悪いとこ見せちゃったね」
彼女の頭を優しくなでた。
「ふえっ? ぬ、主殿?」
ガバッと半身を起こしたヒルダに僕は、
「ありがとう。もう大丈夫」
出来るだけ優しく、
「だから……」
彼女の頬に残った涙の欠片を指ですくいながら、
「僕と一緒に、姉上を助けに行ってくれるかい?」
「うむ! 喜んでなのじゃ!」
お互いニッコリとほほ笑んだのだった。
そのあと、ヒルダが泣き止むのを待って、彼女を抱えたまま半身を起こした僕は、
「ジューク。それに影頭。取り乱して済まなかった!」
ジュークと影頭に謝った。
それに対し、
「止めて下さいアルサス様! あなた様に頭を下げられたとあのお方が知ったら……」
「そうです! 先ほどの命令拒否だって……」
二人は面白いほど動揺して謝罪を受け入れてくれた?
なんか丸く収まりそうになり、教室の空気が緩んだ刹那。
「きゃあぁぁぁぁぁぁ! なんですか貴方たちは!」
ホクホク顔で黒板に『実習(スニャップラブ!!)』と書いてチケットを胸にルンルン気分のミル先生の叫び声が廊下に響いた。
「問答無用! 押し通る!」
ミル先生を押しのけ教室に入ってきたのは、十数人の武装した騎士。
「タリスマン侯爵家のアルサスだな。我がロンギヌスは勇者を騙った罪でお前を異教徒認定した」
雪崩れ込んできたのは、胸の所に聖印が彫られた金ピカな鎧と、
兜の角のように突き出した、先端だけ赤い独特なフォルムで有名な。
それは、大陸一迷惑で融通の効かないと言われる、
ロンギヌス戦略機甲団、異教徒撲滅特殊任務班。
通称『レッドヘッド』だった。
新しいパソコン、良いですね!
でも、それにかまけて更新をおろそかにしてました!
ダメですね~。
引っ越しがスムーズにできたら(現在、どうやっていのか模索中)。
更新もスムーズに行けると思います!
気長な応援、よろしくお願いします!