〜プロローグ〜
杵島鈴 22歳。小さいときからずっとずっと母に「あなたは神の子さん。素晴らしいわね」そう言われて育ってきた。
私の母は信仰熱心で、時間があればよく神社やお寺に連れて行ってくれたものだ。そんな母が大好きでいつも一緒にいた。母との時間が大切すぎて友達と過ごすとゆう概念がなかった。
お母さんを幸せにするために私は生まれてきたんだ。
小さいときからずっとそんな思いを抱いてた。
親離れ出来てない私に、母は
「あなたは結婚したらそこのお母さんが本当のお母さんなのよ。私は、神様からあなたを預かってるの。」
と言う。母も自分に言い聞かせるように、少しさみしそうな顔をしながら。
私はそう言われるたびにいつも涙を流した。小さいときからずっと肌身離さず持ってる母にもらった鈴を強く握りしめながら。。。
最近結婚をやたら急かされて喧嘩をするたびにこの話題。
今日もまた言われた。
じゃあ、お母さんはお腹を痛めて私を産んだくせに何なの?さみしいこと言わないでよ。
そうつぶやいて、夜空を見上げた。
天の川が夜空満点に広がっている。
今日は母の誕生日なのに。
母を幸せにするために生まれてきたと言うのに全然母の願いに答えられてないことに気づいた。
私の彦星さんはどこなの。。。
星に願いをこめて鈴を鳴らした。