ポケベル爆発事件の全貌(10)
2024年9月17日、15時30分頃。
レバノン各地で、ヒズボラ構成員の保持するポケベルが同時に爆発する。
まず始めにポケベルにエラーメッセージが送信され、その直後に爆発した。
もともと、特定のメッセージを受信した際に爆発するようにイスラエルによりセットされていた。エラーメッセージを受信したらポケベル保持者は当然ポケベルを手に取り、ポケベルのディスプレイ表示を確認する。その瞬間を狙って爆発するように巧妙に細工されていた。それによって、ポケベルは顔の近くで爆発することになり、より効果的なダメージをポケベル保持者に与えることを狙っていた。
ポケベルの同時爆発により、37人が死亡し、3400人以上が怪我をした。
顔の近くで爆発したため、命を落とさなかったとしてもその爆発によって失明した人もいた。
イスラエルによるヒズボラへの攻撃はこれだけにはとどまらなかった。
次の日の9月18日、レバノンの首都ベイルートなどで、今度は、ヒズボラの使用するトランシーバーが爆発した。
モサドはポケベルを作戦の主軸としていたが、同時並行でトランシーバーへの細工も進めていた。
このトランシーバーの爆発には、日本メーカーのロゴが貼り付けられたトランシーバーが使用されていたことが分かっている。
それは「アイコム」という無線機やトランシーバーのメーカーで、同社はこの事件を受けて、「偽造品防止のためのホログラムシールが貼られておらず、当社から出荷した製品か確認できない」と発表している。
モサドはここでも巧妙に流通経路の中に入り込み、爆薬入りの偽物の「アイコム製トランシーバー」をヒズボラに流していた。
このトランシーバー爆発では、25人以上が死亡し、608人が怪我をしている。
そして10日後の9月27日。
イスラエルはピンポイントの空爆で、ヒズボラ最高指導者であるナスララ師を殺害した。
その後、イスラエルは、ガザ地区におけるハマス、レバノン南部のヒズボラに大きなダメージを与えていき、そしてハマスとヒズボラを裏で操っているイランへの攻撃へと突き進んでいく。




