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03-Ⅱ

帰省したら実家のご飯を食べたい

「では、今日の講義を始めるぞ」

 師匠がキリッとした表情で言う。正直、本の山の下敷きになってたり、私の作ったら料理を子どもみたいな笑顔で食べる師匠を見てきた私としては、生暖かい目で見てしまうのは必然ではないだろうか。


「む? どうかしたのか?」

 気にしないで下さい、という意味を込めて首を振る。

「そうか。では、続けるぞ。ミリアは精霊魔法はどういうものだと思う?」

 精霊魔法については魔法の講義の時にさらりと触れただけなので、知識としてはほとんどない。しかし、私には前世のゲーム知識から、それらしいものをでっち上げて答えることにした。


[精霊魔法は、通常の魔法と違って精霊に魔力を与えて現象を起こすもの、ですか?]

「まぁ、その解答だと60点といったところかな。精霊魔法は精霊を通して行われる。その際、私達精霊魔法を扱う者は、精霊に指示を出さなければならない。だが、精霊も生きて、意思を持っている。だから指示の内容によっては威力が下がったり、最悪不発になったりする」

[その指示の時に精霊言語を用いるわけですね]

「そういうことだ。当然、精霊と本人の相性もあるから、自分に合った属性の精霊と契約するんだ」


 契約か。

[その、契約するメリットは?]

「メリットか。契約した精霊は、言わば自分用に製造、調整された武器だ。オーダーメイドと言ってもいい。対して、契約してない精霊は量産品、誰にでも扱える代わりにオーダーメイドには劣る」

 つまり、契約した精霊なら威力が高くなったりするわけか。

「だから精霊魔法の使い手は、より高位の精霊と契約することが目標なんだ。精霊との友好関係が重要だから、高位の精霊との契約は非常に難しいがな」


 精霊との契約は、ある意味ギャルゲなんかの攻略と似た部分があるのかもしれないな、なんて漠然と考えた。


「そして精霊魔法にはある一つの秘奥の術がある。それが精霊憑依、エレス・マギア」

 何、その深淵に押しやった暗黒の記憶が嬉々として這い上がって来そうな破壊力を持つ言葉は······!?

 男子なら一度は胸に抱く厨二ソウルが前世という時を越えて疼くぜ······!

精霊憑依(エレス・マギア)は文字通り、精霊を己の肉体や装備品に憑依させるものだ。だが、前に説明した通り精霊にも格が存在する。何が言いたいかというと、憑依させる触媒が憑依する精霊の格に耐えきれない場合、触媒は自壊するということだ」

[魔石に魔力を過剰に込めるのと同じような感じですか?]

「そうだな、それに近い。それは当然肉体でも起こることだ。その場合、肉体はアンデッドにもなれないくらいズタズタになり、魂は焼き尽くされる。実際に何人かの精霊魔法の使い手が精霊憑依(エレス・マギア)を行って死んでいる」


 死。その言葉を聞いて、思わずゴクリと唾を飲み込んだ。


精霊憑依(エレス・マギア)において最も重要なのは、精霊との親和性、相性とでも言うかな。肉体的、精神的、魂魄的な要素が絡み合って成されるんだ。だから基本的には、エルフの方が親和性が高いから精霊憑依(エレス・マギア)に向いていると言われているが、並のエルフじゃ人間と五十歩百歩。私でも中級精霊で精一杯だ」

 上級精霊を憑依させようとして右腕が弾け飛んだこともあったな、なんて苦々しく呟く師匠。

 魔法ってすごいよね。弾け飛んだ腕を元通り生やせるんだから。


「つまり、精霊憑依(エレス・マギア)は諸刃の剣だから使うなよ? ってことだ」

 死にたくないので使いません、絶対。まぁ、使えるとも思えないけど。エルフの師匠でそれなら、クォーターの私なら確実に死ねる。


 でも、憧れるなぁ。

「まぁ、精霊憑依(エレス・マギア)にも階位があるから、低位でならミリアにも使えるかもな」

 その言葉に、ピクリと反応した私は悪くないと思う。

「簡単な物質憑依ならミリアでも大丈夫だと思うが······こればっかりは試してみないと分からないからなぁ。けど、精霊魔法をちゃんと扱えるようになってからだぞ」


 うぐっ。釘を刺されてしまった。まだ精霊魔法どころか精霊言語すらマスターしてないのだ、道のりは遠い。


 しかし、精霊憑依(エレス・マギア)か。精霊を見ることの出来ない私には縁遠い話だろう。それだけエルフの血が薄まっている証に近いものが私の体に現れているのだから。

 私もいつかは、師匠のような魔法使いになれるだろうか。


 いつかは世界を旅してみたい。それが今の私の気持ちだ。もっとも、それを成し遂げるにはまず男性恐怖症を治さなければならないが。好きな男性でも出来ればマシになるだろうか。うっ、想像するだけて鳥肌が。


「何か質問はあるか?」

 そんな師匠の声で思考の渦から意識が引き上げられる。

[いえ、大丈夫です]

「そうか。なら、今から前回の歴史の続きを始めるぞ」

[はい]

 もう一度気を入れ直して、授業に集中するのだった。

明日帰省しやす。広島→京都です。


なんか勢いにノッて書いたので、近々次の話も投稿するかもしれません。

竜の軌跡を次どうするか悩んでいるので、こちらの方が先に書き上がる可能性が高いです。竜の軌跡はまだ一文字も書いてませんが。


てか今回の話、何回精霊憑依(エレス・マギア)言ってるんだろうか。


評価とか増えてると、荒ぶって投稿が早まるかも?

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