↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
救いなき世界の裏路地で  作者: 案内人
第4章 死戦期息吹
48/48

Part7 生命維持の為の聖戦

超巨大企業による先進技術「星欠片」により、世界は大きく変化した。

金さえあれば永久が手に入る時代

然し、当然利益ばかりではない

表世界で人々が自適に暮らす間

裏路地では1人が死ぬ

残酷な彗星都市で自我を叫び、泥臭くとも生きる者たちの話です


※流血描写、グロ描写、鬱展開を含みます

※月曜日以外毎日1話更新予定

薄暗い研究室


その中央に置かれた椅子には一人の男が座っていた


男の手足は鎖で繋がれ 自由を許さない


首筋 頸動脈には太い点滴ラインが繋がれ ラベルに「抑制剤」と書かれた薬剤を絶え間なく送り込む


「抑制剤の投与を止めよ」


一人の女が見下ろし 指示を出す


メシアの背後に控えるは十二支使


然し3人程居ない


「卯と酉の遺伝子は馴染んだ様だね」


俯く男の顎に手を当て 瞳を覗き込む


露わになった男の顔は鼠の様に醜く変異していた


「十二支使 子よ そなたの身体は驚く程適応性が高い」


その眼は最早仲間を見るそれでは無かった


「正に人類の罪(ヒトマウス)よな」


手を離すと 再び男は力なく俯く


「勿論 その移植技術にも感謝しておるぞ シリウス」


「私は唯 A社の意に従ったのみですよ」


「今や A社即ち我等だがな」


メシアはシリウスの頭に手を翳す


「ソナタを 十二支使 卯としよう」


「有難き御言葉」


メシアはモニターを見据え 手を広げる


「来たる13日の明星 次の千年を迎える為の儀式を執り行う」


十二支使が一斉に立ち上がる


「この都市を灰燼と帰し 新たなる聖都の礎とする」


その声には異様な熱があった


「これは聖戦である 裁きである 正義は我等にあり!」


最後にこう宣言した


「神は死んだ 新たなる神は私だ」


――――――――――――――――――――――――


「以上が協会側に送られたメッセージの内容です」


その日 ほぼ全ての便利屋(フィクサー)達は元締である協会『円卓』に集められていた


その中には当然 街灯協会も


「これじゃまるで……」


「エフィルさん? 大丈夫ですか!?」


「ああ エア 少しね……」


本来フィクサーは集団行動を取らない


協会単位に別れているのも適正の為であり いわばその道のスペシャリストだ


だが……


「脅威」が現れた時 フィクサー達は協会問わず集められ 軍隊として運用される


フィクサーなら誰もが聞いたことがある噂だ


よもや現実になろうとは


――――――――――――――――――――――――


「ここからは……」


「此処からは私が引き継ごう」


今まで説明していた女性を重厚感のある声が遮った


一人の男が壇上に登る


フィクサー達にどよめきが広がっていく


「あの人って……」


「知ってるんですかエフィルさん!?」


「直接会ったことは無いけどね……」


ヒソヒソ話している所にサルヴァドールが呟く


「懐かしい顔だな」


壇上の男 まだ若々しいが威厳と重みを持つ態度


「諸君 先ずは本日集まってくれたことに感謝する 私はリュミエール・フォン・ガラハット 円卓所属だ」


どよめきが更に大きくなる


便利屋(フィクサー)協会の最上位である円卓


その中でも特に高名な者


全便利屋(フィクサー)のトップとも言える存在の登壇だ


「先程見た通り メシア及び十二支使と名乗る組織が我々に宣戦布告した」


男は静かな 然しはっきりとした声で続ける


「我々便利屋(フィクサー) その規模と力を知って尚行ったという事は あちらにも勝算があるのだろう」


彼は両手を広げる


「だが!こちらとて負ける訳にはいかない! それが都市秩序維持機構(フィクサー)の責務だからだ 我々も正式に 十二支使に宣戦を布告する!!」


その言葉 その一言で十分だった


フィクサーとて一枚岩ではない


金、生、正義、名誉、地位


求める物は数多だ


それでもその言葉には彼等を同じ方向に向かせるだけの重みがあった


会場は高揚感に包まれていく


「私からは以上だ 情報共有を行うので情報系協会はこの後会議室に では皆 解散だ」


「ちょいと待ちな」


一人の女性が手を挙げ 会場を出ようとする集団を制止する


……ん?


あの金髪って…… まさか……


「私は視線協会のライツだ あんたらに共有すべき事がある」


――――――――――――――――――――――――


「ライツさんってあんなに偉かったんですか!?」


「エア… 声が大きい」


ふと騒がしくて横目で音の方を見る


そこに居たのは視線協会 ノウルとミラだった


「マジかよ!? あのババアってあんな地位だったのか?」


「私も初耳です 全くあの人は……」


「ああ〜静粛に 静粛に! 煩い!」


微かなハウリング音と共に場に似つかわしくない暴言が響いた


「私が共有したいのは先日使用許可を貰った湾曲物「未来諜報員の報告書」の話さ」


画面にファイルが映し出される


「コイツは平たく言えば暗号の形をとった未来予知さ その内容を解析した結果……」


画面に一つの文字が浮かぶ


『龍』


「……だそうだ 意味とかは知らん 各位参考にしてくれ 以上だ」


「情報共有に感謝する ライツ女史」


ガラハットが形式上の感謝を述べ 会を閉めようとする


刹那


「待て 俺からも話がある」


手の上がった方向は舞台上 円卓が控えている場所だった


――――――――――――――――――――――――


「……モルドレッド 余計な口を……」


ガラハットは顔を顰める


返答を聞く前に男がガラハットの前に出た


その眼は紅く 如何にも血気盛んな印象だ


「俺はモルドレッド 分かってるだろうが円卓所属だ」


モルドレッドはニヤリと笑い 口を開く


「今からこのヘタレが言えなかった事を言うぜ」


ガラハットは沈黙を保つ


「これは戦争だ 血で血を洗う争いさ お前ら! 家族恋人友人知り合い誰でも良い 便利屋(フィクサー)以外の奴にこう話しときな」


この場の誰もが思いながら口に出来なかったこと


それをいとも簡単に叫んだ


「「死んで来る」ってな 覚悟は決めとけよ?」


――――――――――――――――――――――――


それから暫く 各地にある便利屋(フィクサー)協会では夜まで煌々と明かりが付き机に様々な書類が置かれる光景が見られた


運命の早朝


円卓にはそれぞれの使命を全うせんとする英雄達(フィクサー)が一堂に会した


都市全体を戦場とする大規模戦争


後に「|生命維持の為の聖戦(オーダーオブライフ)」と呼ばれる戦争


その幕が明けた

感想とポイントお待ちしております!

アンチ、指摘も大歓迎です


こちらの作品も是非お願いします!

シリアス「音」ホラー

https://ncode.syosetu.com/n9607mj/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。