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クオリファイア・ロッド  作者: 斜志野九星
第6章 クオリファイア・オブ・ロッド
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第49話 マーダー・セイント・フォア・ロッド

 扉を開けると、そこにはおびただしい数の機械が立ち並んでいた。

 部屋の中央にはモニターがあり、それで本当の『魔女』の社の中を監視しているみたいだ。

「入りましょう」

 俺と神上未咲は部屋の中に入った。

 部屋の床は、おびただしい数の配線で埋め尽くされていて、歩くのにとても苦労する。

「キャッ!」

 神上未咲が配線に足を絡み取られ転びそうになった。

「大丈夫か?」

「はい。何とか……」

 数分後、俺たちはモニターの前に辿り着いた。

 ふう……

 しかし、凄い部屋だな……

 モニターには、本当の『魔女』の社の中が映されていた。

 本当の『魔女』の社の中は、以前見た外側と同じくとても簡素で、床はコンクリート剥き出しのようだ。

 何で、『神上家』はこんなところに『魔女』を隠しているんだ?

 せめて、『魔女』の為にもう少し綺麗にするべきなんじゃないのか?

「えーと、これをこうして……」

 神上未咲が何やらパソコンを操作している。

「準備できましたよ! これで、記録を見ることができます!」

 しばらくして、神上未咲が笑顔で俺に言ってきた。

 しかし、馴れた手つきだな……

 俺と飯地が喋っているところのデータを引き抜いていた辺り、日頃から監視カメラ弄りをやっていたのかもしれない。

 俺は神上未咲に、結城が『魔女』になる儀式に行った日と俺たちが下校した時刻を教えて、その日の記録をモニターに映してもらった。


 モニターに『杖』を持った女性が映し出された。

 多分、結城の前の『魔女』なんだろう。

 『魔女』は、本当の『魔女』の社の中で微動だにせず『杖』を持ち続けていた。

 しばらくすると、本当の『魔女』の社の中に神上達雄が入ってきた。

「今日は、あなたが『魔女』でいる最後の日です。もうすぐ『杖』から解放されますよ」

 そう言って、神上達雄はすぐに出ていってしまった。

 『杖』から解放される?

 いったい、どういう意味なんだ?

 神上達雄は微妙に笑みを浮かべていたが……

 しばらくすると、神上達雄がまた入ってきた。

 その後に続いて、結城と飯地が入ってくる。

「まさか、外の『魔女』の社が偽物だったなんて……」

 モニターの中の飯地が、本当の『魔女』の社の中を見渡しながら言った。

「結城、頑張れよ! ずっと応援しているから……」

「うん、大丈夫。心配してくれてありがとね……」

 飯地が結城を心配し、それに結城は笑顔で返した。

「これから儀式を始めるので、飯地久彦君は端の方に座っていてください」

「あ……はい、分かりました」

 神上達雄の指示で、飯地は『魔女』の社の隅の方に行った。

「では、これより儀式を始めます。『魔女』、『杖』をこちらに……」

 神上達雄の号令の下、『魔女』を継承する儀式が始まった。

 『魔女』が神上達雄に『杖』を差し出す。

「今まで、お役目ご苦労様……」

 神上達雄がそう言うと、『魔女』は砂になって消えていった。

 『魔女』に対して、随分と尊大な言い方だな……

「結城花帆君、こちらが『杖』です」

「はい……」

 神上達雄が『魔女』から受け取った『杖』を結城に渡した。

「『魔女』になりたいと目を閉じて念じて下さい。その間に私があなたを『魔女』にする呪文を唱えます」

「分かりました」

 神上達雄の指示で、結城は『杖』を抱えて目を瞑った。

 『魔女』にする呪文?

 そんなの初めて聞いたぞ。

「全ての民のためにあなたは『魔女』となる。例え死すともその心、我ら民のためにあらん……」

 神上達雄が呪文を唱え出した。

 その呪文は、『魔女』の偉大さを称えた歌のように聞こえた。

「『杖』をもって我ら民の願いを叶えよ。例え朽ちるともその意志、我ら民のためにあらん……」

 呪文を唱えながら、神上達雄は腰から何かを取り出した。

 それは拳銃だった。

「あなたの心は民のため、あなたの意志は民のため……」

カチャリ……

 結城の頭に拳銃が突きつけられた。

 だが、結城は念じているせいなのか、そのことに全く気が付いていない。

 そして、

バシュン!!

 本当の『魔女』の社の中に血が飛び散った。

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