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クオリファイア・ロッド  作者: 斜志野九星
第5章 ストラグル・アゲインスト・ロッド
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第45話 トーチュア・オブ・ロッド

「終わったぞ、伊阪」

 空の方から飯地の声が聞こえてきた。

 いつの間にか、突風も雷も止んでいる。

「飯地……」

 俺が立ち上がると、『杖』を持った飯地が目の前にいた。

「酷い……」

 神上未咲も立ち上がって、周りを見ていた。

 飯地の周りには、黒焦げになった『神上家』の黒服たちが倒れていた。

「殺さないでおいたんだから、感謝くらいしてくれてもいいだろ?」

 飯地が俺に訊いてきた。

「お前、いったい何様のつもりだよ……」

 俺は握りこぶしを作りながら言った。

 今にも怒りが爆発しそうだった。

 こいつのせいで、いったいどれだけの人が犠牲になっているんだ!

「未咲! 伊阪竜司君! 今すぐ、飯地久彦から離れるんだ!」

 後ろから、神上達雄の声が聞こえてきた。

「まだ生きていたか……」

 飯地が『杖』を構えた。

「未咲、車の陰に隠れよう」

「はい!」

 俺と神上未咲が車の陰に隠れる頃には、飯地も神上達雄率いる『神上家』も戦闘態勢に入っていた。

「これで邪魔者がいなくなった。お前たち、撃てぇ!!」

 神上達雄が『神上家』の黒服たちと共に拳銃の引鉄を引こうとした。

 邪魔者って……

「いいのか? 『杖』が壊れちまうぞ?」

 それに対して、飯地は『杖』を見せびらかしながら笑った。

「構うな! 撃てぇ!」

バンッ!

バンッ!

バンッ!

 神上達雄の合図と共に『神上家』の黒服たちが発砲した。

 だが、飯地は『杖』を振るって、銃弾を空中に制止させてしまった。

「もう、生贄は揃ったし良いか……」

 そして、再び飯地が『杖』を振るうと、銃弾が真逆の方向に飛んで行った。

 それによって、多くの『神上家』の黒服が倒れていく……

 生き残れた黒服たちは、『杖』の力に恐れおののき逃げ出した。

「逃がさないぞ」

 追い打ちをかけるように、飯地が『杖』を振るった。

ドガーーーーーーーーーーン!!!

バリバリバリバリバリバリ!!!!

ドゴォォォォォン!!

 辺りに雷が落ちまくり、また大勢の黒服たちが倒れた。

 更に飯地は瞬間移動して、神上達雄の前に現れた。

「なっ!」

 驚く神上達雄に対して、飯地は『杖』を突きつけた。

「結城をあんな風にした罰を受けてもらうぞ」

 飯地は憎悪に満ちた目で、神上達雄を睨んだ。

 そして、『杖』についた玉が光った。

「結城の苦しみだ!」

 神上達雄の身体に火が着いた。

 その火は瞬く間に神上達雄の全身に燃え広がった。

「あああああああああぁぁぁあああぁぁぁああああ!!!!」

「父さん!!」

 神上未咲が車の陰から出ようとした。

 俺は神上未咲の身体を掴んだ。

 今出ていったら、飯地に何をされるか分からない。

「未咲! 駄目だ!」

「で、でも、父さんが! 父さんが!」

 神上未咲は泣きじゃくって、俺の手を振りほどこうとした。

「じっくり苦しんでから死ね!!」

 向こうからは、飯地の怒りの声が聞こえてくる。

 そういえば、飯地の感情が籠った声を聞くのは久しぶりかもしれない。

「父さん! 父さぁぁぁん!!!!」

 神上達雄の姿は、もう影のようにしか見えない。

 もう、生きているのかどうかすらも分からない。

「あっ!!」

 うっかり、神上未咲を掴む力が緩んでしまった。

 神上未咲は泣きじゃくりながら、神上達雄の下に向かった。

 同時に神上達雄の姿が崩れ始める。

「父さああああああああああああん!!!」

 神上未咲が神上達雄を掴もうとしたまさにその時、神上達雄は灰になって消えてしまった。

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