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クオリファイア・ロッド  作者: 斜志野九星
第4章 プラン・オブ・クリミナル・ポゼッシング・ロッド
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第36話 デストラクション・ロッド

「夏休みが始まる少し前、俺の幼馴染の結城が、『魔女』に選ばれました」

 俺は今までのことを思い出しながら言った。

 そういえば、発端は結城が「『魔女』に選ばれた」と言ったことだったな……

「『魔女』に選ばれた? 『魔女』とは選ばれるものなのですか?」

 アレックスさんが俺に訊いてきた。

 となると、じいちゃんの仲間も『魔女』が選ばれることは、知らないってことだな。

「てっきり、『神上家』の中から『魔女』を輩出しているものだと思ってましたよ」

「俺もその時は不思議に思わなかったんですが、後で母さんと話して、その時初めて知ったことに気付きました」

 『神上家』が『魔女』を輩出しているか……

 確かにそういう考え方もできるな……

 そういえば、『魔女』の名簿には、神上未咲の名前が予備として載っていたな……

 ん?

「その時、結城に『魔女』になる儀式を見に行かないかと言われたんですが、俺はじいちゃん家に行く準備をしなければならなかったため、俺の友達の飯地だけが行きました」

 今思えば、何であの時一緒に行かなかったのだろう。

 行っていたら、結城が死んだ理由も飯地が『杖』を使って事件を起こしている理由も分かっただろうに……

「それは惜しいことをしましたね。『魔女』になる儀式なんて余程のことがないと見ることはできませんよ」

 アレックスさんが俺に同情した。

「その後、俺はじいちゃん家に行っていました。夏休み中はいつもじいちゃん家に泊まり込んでいるので……」

「ああ。そのことは正から聞いていますよ。竜司が来る季節だって」

 アレックスさんが笑って言った。

 じいちゃん、そんなことを言っていたのか……

 恥ずかしいから、やめてくれ……

「ですが、すぐに母さんに呼ばれて木丈霞町に帰りました。そこで、『魔女』が殺されたと言われました」

 アレックスさんが笑うのをやめて、静かになった。

「俺は結城が本当に殺されたのか確かめるために、『魔女』の社に向かいました。しかし……」

 俺は神上達雄に邪険に扱われたことを思い出しながら言った。

「やはり『魔女』は殺されていた……いや、『神上家』の警備の仕方から察するに、『魔女』が殺されたと言われた、といったところでしょうか?」

 アレックスさんが、俺の話の続きを言った。

「はい。その直後、『杖』を持った飯地に会いました」

「その飯地というボーイは、その時どんな感じでしたか?」

 俺の話が終わると同時に、アレックスさんが質問してきた。

「絶望しているように見えました」

 目が虚ろで、顔は青ざめていて、身体には幾つも傷があり、ボロボロの飯地。

 いったい、何があったんだろうか……

「ふうむ……。その後、飯地というボーイが『杖』を使って事件を起こしていることが分かったのですね?」

 アレックスさんが、俺に確認した。

「はい!」

 俺は大きく返事をした。

 ちなみにその後、神上未咲に会って、あれやこれや言うことを聞かされたわけだが、まあそこは話さなくてもいいだろう。

「おそらく、飯地というボーイが、『魔女』を殺したのでしょう。『魔女』になる儀式の時に、何かに絶望して」

 アレックスさんが俺に言った。

 やっぱ、飯地が結城を殺したのか?

 そして、飯地はいったい何に絶望したんだろう?

「そうなると、犯人が狙っていることも少なからず分かってくるはずです」

 何だろう……

 絶望した人が狙うことって……

「これはあくまでも私の予想なのですが、飯地というボーイは、木丈霞町のシステムに絶望して、魔法を使って木丈霞町を破壊しようとしているのではないでしょうか?」

 木丈霞町を破壊するだって!?

 まさか、そんなことを……

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