2話ー月下のすみれ
ルービタニアについて調べるため、トヤヘリノ北区の図書館に来た。
ここはトヤヘリノでいちばん大きな図書館で、色々な本や資料があるはず。
長い間、西区のルービタニアに続く国境が閉じられていたから、資料は少ないかもしれないが、探してみよう。
私はルービタニアについて書いてある資料や本、新聞記事などを手に取り、読み始める。
しかし、どの資料にも実験施設のことは書いていなかった。
証拠がないと、誰も信じてくれない。
信じてくれなければ、誰も協力してくれないだろう。
「歴史の本がいっぱいだな。 歴史が好きなのか?」
急に、向かいに座る若い金髪の男に声をかけられた。
「いや、調べたいことがあって…、歴史の本になら載ってるかもって思ったんです。」
「何について調べてるんだ?」
「信じますか?」
「聞いてから判断する。」
「…ルービタニアにあると言われている、実験施設についてです。」
私は小さな声で答える。
「実験施設ね、私の兄がその調査で数年前にルービタニアに向かったよ。 調べてどうしたいの?」
「その実験施設を無くしたい。 亡くなったおじいちゃんからの頼みなの。」
「なるほど…、兄に連絡してみるよ。」
金髪の男性は紙に何かを書いて、私に渡す。
「私はヴァイオレット。 明日にでもここにおいで。」
紙を受け取ると、ヴァイオレットは本棚の森に消えてしまった。
紙には、住所が書いてあった。
ヴァイオレットは一体何者なのだろう。
それに、ヴァイオレットのお兄さんが調査しているということは、実験施設は本当にあることが分かった。
私は翌日、紙に記されている住所の場所に向かった。
その住所の場所は南区の魔法学校だ。
私がもんの前に立っていると、一人の女の子が話しかけてくれた。
「どうしたの? ここの生徒じゃないわね。」
「ヴァイオレットという方に、この住所に来て欲しいと渡されたんです。 たどり着いたら、この魔法学校でした。」
「そう、ヴァイオレットね。 着いてきて。」
私は、言われた通りに女の子について行く。
「ここで待ってて。」
通されたのは、空き教室だった。
女の子が教室から出ていくと、私は椅子に座った。
本当は、ここの学校に通いたかったが、私の実力ではどうやら厳しかったようだ。
けれども、他の学校でいい出会いがあったし、何より今この教室に来れたことが嬉しい。
少しするとチャイムが鳴り、窓から生徒たちが帰っていくのが見える。
窓の外をぼんやり眺めていると、教室の扉が開いた。
教室に入ってきたのは、昨日図書館で会ったヴァイオレットだ。




