第3話 「選ばれし者たち」後編
第3話「選ばれし者たち」後編
グレンレッド。
ムーンブルー。
オウゴンイエロー。
セイギグリーン。
シャドウパープル。
五人が並ぶ。
夜の街に、五色の光が広がった。
怪物たちが咆哮する。
《奪エェェ!!》
黒い群れが、一斉に襲いかかる。
「来るぞ!」
真田幸村が踏み込む。
双槍が火花を散らす。
速い。
変身前とは、比べ物にならない。
風が見える。
敵の動きが、分かる。
「これが……力!」
幸村は回転しながら双槍を振るう。
一体。
二体。
歪曲体が吹き飛ぶ。
だが。
数が減らない。
「無駄に突っ込むな」
銃声。
伊達政宗の弾丸が敵の足を撃ち抜く。
「核を狙え。胸部中央だ」
「ならば――」
幸村が踏み込もうとした瞬間。
横から別の歪曲体。
避けきれない。
だが。
黄金の大剣が、割って入る。
轟音。
敵がまとめて吹き飛んだ。
「ふん!遅い」
織田信長が笑う。
「戦とは、力で押し潰すものよ」
「巻き込みすぎだ!」
幸村が叫ぶ。
実際、近くの車まで吹き飛びかけていた。
その瞬間。
緑の光。
「下がれ」
上杉謙信が槍を地面へ突き立てる。
半透明の結界が展開。
吹き飛んだ瓦礫が、空中で止まった。
「……何?」
信長が目を細める。
「守るための力だ」
謙信は静かに答える。
その後ろ。
影が揺れた。
「興味深い」
明智光秀の姿が、一瞬で消える。
次の瞬間。
敵の背後。
「人は、見えているものしか信じない」
斬撃。
音もなく、核が切断される。
「なっ……!」
幸村が目を見開く。
「死角から崩す」
光秀は淡々と言う。
「合理的です」
「お前まで政宗みたいなことを……!」
「おい!そこ!聞こえているぞ!」
政宗が撃ちながら返す。
そのとき。
地面が揺れた。
巨大な歪曲体。
幸村の3倍ほどもある黒い怪物が、空間の裂け目から現れる。
《排除対象確認》
不気味な声。
「でかいな……!」
幸村が息を飲む。
怪物が腕を振り上げる。
狙いは――逃げ遅れた人々。
「まずい!」
幸村が走る。
だが遠い。
間に合わない。
「退け」
謙信が前へ出る。
長槍を構える。
「義心結界!」
緑の光が広がる。
巨大な防壁。
衝撃が激突する。
轟音。
道路が砕ける。
だが――
防ぎ切った。
「ぐっ……!」
謙信の膝が沈む。
重い。
防御だけでは、押し切られる。
「ならば壊せばよい!」
信長が飛び出す。
黄金の炎。
大剣が巨大化する。
「天下布武――!」
「待て!」
幸村が叫ぶ。
その先には、まだ人がいる。
信長の刃が、一瞬止まる。
迷った。
ほんの一瞬。
その隙に、怪物が咆哮する。
衝撃波。
全員が吹き飛ばされた。
「くっ……!」
幸村が地面を滑る。
立ち上がる。
だが。
怪物は、まだ動いている。
そのとき。
政宗が静かに言った。
「俺に合わせろ!」
全員が振り向く。
「一人でやるから体勢が崩れる!」
政宗は銃を構える。
「なら、同時に撃つ!」
「……共闘か」
信長が笑う。
「面白い…」
光秀が呟く。
幸村は槍を握り直した。
「やるぞ!」
五人が動く。
政宗の弾丸が、怪物の視界を潰す。
信長の一撃が、動きを止める。
謙信の結界が、周囲を守る。
光秀の影が、足を縫い止める。
そして。
幸村が跳ぶ。
「守るために――!」
六文銭が輝く。
炎が槍に集まる。
「六文銭・紅蓮地獄!!」
一直線。
赤い閃光が、巨大な核を貫く。
沈黙。
怪物の体が、崩れていく。
黒が、光へ変わる。
消滅。
静寂。
助けられた人々が、呆然と五人を見上げていた。
「……ヒーロー?」
小さな子どもが呟く。
幸村は、またその言葉に戸惑う。
戦場で、そんな風に呼ばれたことはない。
「帰還してくれ」
後ろから声。
大十字大和だった。
「その力は、まだ安定していない…」
戦闘終了後の朝 地下施設――大十字ラボの上にある雑居ビル1階コンビニ。
「……つまり」
幸村が目の前の店を見つめる。
「この小さな店に、これほどの食料が……?」
「それは、コンビニだ」
政宗がスマホを操作しながら呆れた顔で言う。
幸村は弁当を見つめる。
おにぎりを見つめる。
サンドイッチを見つめる。
「むむ…選べん……!」
「非効率すぎるな」
政宗が即答した。
「全部うまそうなのだ!」
幸村は真剣だった。
一方。
信長は自動ドアの前に立っていた。
開く。
閉じる。
開く。
「……ほう」
興味津々である。
「何をしている」
謙信が呆れる。
「面白い」
信長は本気で感心していた。
「扉が勝手に動くぞ!」
「そんなことより!」
幸村が叫ぶ。
「この“からあげ棒”なるものは何だ!」
正宗がツッコミを入れる「お前は本当に戦国武将か!」
そのとき。
「おはよー!!」
元気な声。
小柄な少女が、勢いよく飛び込んできた。
「危ない!」
幸村が反射的に受け止める。
「わっ、ごめん!」
少女は笑った。
「私は、大十字命!」
「スマン!私の娘です!」
後ろから大和が現れる。
頭を抱えながら。
「勝手に来るなと言ったはずだが…」 「だって気になるじゃん!」命は、キラキラした目で五人を見る。
「本物の武将だぁ……!」
「本物とは失礼な」
信長が笑う。
命は幸村を見上げた。
「昨日、助けてくれたよね」
幸村は少し黙る。
「……当然だ」
「でも、ありがとう、ヒーロー」
その言葉に。
幸村は、少しだけ困った顔をした。
“感謝される戦”など。
知らなかったからだ。
「礼を言われるほどでは……」
「照れてる?」
「照れておらん!」
政宗が小さく吹き出した。
「笑ったな!?」
「いや」
「今、笑っただろ!」
そのとき。
ぐぅぅぅ……
低い音。 全員が止まる。
音の発生源。
謙信だった。
「…………」
真顔。
「腹が減ったのか」
信長がニヤリと笑う。
「断じて違う!」
謙信が即答する。だが、再び鳴る。
命が吹き出した。
「みんなで、ご飯行こっか!」
数分後。
某ファミリーレストラン
幸村は両手を合わせていた。
「……食べ物を粗末にしてはならん」
真剣そのもの。
政宗は店のタブレットで注文方法を理解し始めている。
「なるほど。情報端末か」
信長はドリンクバーに感動していた。
「飲み放題だと?酒はないのか?」
謙信は店員に異常に丁寧だった。
「感謝する」
店員が少し引いている。
光秀だけは、窓際に座って外を見ていた。命が隣に座る。
「楽しくない?」
「……分かりません」
光秀は静かに答える。
「この平和が、本当に正しいのか…」
命は少し考えてから言った。
「でもさ」
「みんな笑ってる人、多いよ?」
光秀は外を見る。
笑う子ども。歩く親子。
普通の風景。
戦国には、なかった光景。
そのとき。
大和のスマホに警報が鳴り響いた。
赤い光。
サイレン。
『歴史歪曲反応、急速増大』
大和の顔が険しくなる。 「来るぞ……!」
幸村たちが立ち上がる。
命が、小さく言った。
「……死なないでね」
その言葉に。
五人は、一瞬だけ止まった。
“死ぬ覚悟”なら、持っていた。 だが。
“生きて帰れ”と言われたことは、ほとんどなかった。
幸村が振り向く。
「……ああ、行って来る」 静かに、頷いた。 第4話へ続く。
固別武器設定(近接+可変ギミック)
グレンレッド(真田幸村)
武器:双槍ブレード〈紅蓮双〉
2本の槍→連結で長槍/分離で双短槍
先端に“貫通フィールド”発生
モード
突撃モード(高速連撃)
守護モード(円形防御突き)
必殺技
六文銭・紅蓮地獄(多段→貫通一撃)




