第54話 エピローグ
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「それにしても、いつもアー坊はなにか大きなことをしでかさないといけない身体になってしまったのか?」
ここはジャポリの街の領主の間。この空間には僕と王様の二人しかいない。
「クロイド帝国がジャポリの属国を希望したり、聖女を救ったと思えば、かつて口に出すことすら禁忌とされていた邪神まで倒すって……冗談を言っている気分だ。それに渡せる褒美がないんだが?」
「その……別に褒美が欲しい訳ではないんですけどね」
『我はクロイド帝国の帝王……クロイド・ユーリウスである。我がクロイド帝国はジャポリ王国の属国にさせて頂きたい!』
その発言を皮切りに、クロイド帝国は王国の属国という形には……ならなかった。
理由2つある。
1つ目はユーリウスの言い分……もといクロイド帝国の今の現状が理解できたから。
2つ目はいきなり属国という形を取れば、内戦が免れないだろう。最悪の場合、その火種が王国にも飛び火してもおかしくはない。
だから、今までの関係にもう一段階踏み込んだ友好的な関係を持つ形でとどまった。
クロイド帝国からは魔導技術提供、王国からは食料提供。今後は食料や魔導技術に関わらず、共同研究することにも同意することになった。
お互いの民が幸せになれば、何も問題はないからだ。
クロイド帝国何故か最後まで食い下がらなかったらしいが……。
「あ、ちなみに……元聖職者のカンユウという男だが……教団との協議の結果、塔に一生幽閉という形になったぞ」
塔とは凶悪な犯罪者を閉じ込めておく施設である。曰く太陽の光を浴びる事もない。
「あと、ザマール公爵家のドネイクとその息子のガイアだが……こいつらの処遇はまだ決まっていない。一旦留置所に拘束しているが……気持ち的には死刑にしてやりたいところだ」
「そうですよね……」
王国を裏切って、敵についたのだから死刑でも仕方ない。
「だが、アー坊がそんな顔をしそうだから、死刑にはしない……ただ自由はないし、死んだ方がマシと思えるくらい刑務に励んでもらうがな。もちろん2人については公爵の位を剥奪する。ただ潰しはしない……その後の話に関しては今度にしよう」
「あ、ありがとうございます!」
生きているならいいのだ。やったことの罰は償って欲しいから。
「それと気がかりが一つ。今回の事件について調査をしたんだが……また紅魔晶が絡んでいたらしい」
「紅魔晶がですか……?」
「それについては分からん……ただクロイド・ユーリウス帝王とカンユウの話から、仮面を付けた黒いタキシードの男が関与しているらしい……まぁ、その黒いタキシードの男がなんなのかは分からないんだけどな」
一体誰が何のために紅魔晶を人間界に持ち込んだのだろう。悪魔に邪神……人間が忌むべき存在ばかり、僕達の平和を脅かす。ジャポリの街の領主としては平和なままでいて欲しい。それ以上に望むものはない。
「ちなみに一応聞いておくが……何か欲しいものはないのか?」
王様は僕に尋ねる。
「えっと……僕はただジャポリの街のために動いただけなので……気にしないでください」
「はぁ……やはりお前は年齢の割に謙虚すぎる」
最近、王様からこの言葉ばかり聞いている気がする。
「いえ、僕はまだまだ未熟ですから」
「お前が未熟ならみんな未熟だわ」
王様は苦笑いをした。しかし直後に真剣な表情になった。
まだ王様は何も言っていないが、僕は無意識に背筋を正した。そうしないといけないと思ったから。
「なぁ、アー坊……これは少し真剣に聞いてほしいんだが」
「な、なんですか?」
「ウチのラティと真剣に婚約を考えないか?」
「え……?」
まさか王様から真剣に言うとは思わなかった。ラティから話を振ったり、王様自身が冗談まじりにいう事はあっても真剣に面と向かって
「もう少し……もう少し待って下さい。今の僕はジャポリの街の人達を幸せにするために集中したいのです」
「分かった……だが、頭の片隅でもいいから考えてくれると嬉しい。ラティも喜ぶだろうし、俺も安心できる……娘を持つ一人の親として信頼できる男に預けられることは理想なんだよ」
僕も将来、誰かと結婚したら、いつか王様のようなことを考えるのだろうか。その時が来るまでジャポリの街がどの街よりも不安のない街にしたい。
「まぁ、だからといってすぐに婚約を決めなくてもいい。でも心に止めておいてくれると嬉しい」
「分かりました……あ、でも一つだけいいですか?」
「? あ、あぁ……どうした?」
「僕は今も昔も……ラティのことが好きですよ」
「そうか……それなら安心だな!」
王様は嬉しそうに笑ったのだった。
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「あ、アーク様……! お、お疲れ様です……!」
「ユリナもお疲れ様。お茶もすごく美味しかったよ」
「う、うへへ……褒められた……嬉しいです……!」
ユリナは嬉しそうにニヘラと笑う。盗賊に駒として扱われていた時は違う。
今のユリナはとても幸せそうだった。
「おっ! アーク殿! 今日は何を食べに行くの? 私お腹空いたよ?」
リュミエールはお腹を押さえている。どうやら、待たせすぎてしまったようだ。
「それじゃあ、みんなでまわろうか」
「やったぁ!」
リュミエールは楽しそうにはしゃぐ、本当に年上のお姉さんなのだろうか疑問に思う事があるけれど、今のリュミエールにとって美味しいものを好きなだけ食べることが一番の幸福なのだろう。
「ねぇ、アーク君……」
「ラティ……?」
「好きだよ」
ラティは照れたように頬を赤らめ、僕の腕に抱きついた。
「いや、ラティ……他の人の目とかあるから……」
「え? 私は気にしないよ?」
「いや、少しは気にしようよ!」
僕達はいつも通りのやり取りを交わす。
このやり取りこそが僕達が勝ち取った平和な日常なのだ。
『〜完〜』
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ちなみに次回作は6月10(土)までに出せるように頑張っておりますので、こちらも投稿したら是非是非よろしくお願い致します〜!!
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今作はここで幕を閉じますが、今後とも東田悠里を応援していただけると嬉しいです!
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