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第51話 アーク君の代わりに(SIDEラティ)

「それで? お前らが相手なのか?」


 アーク君が蛇の化け物と戦いを繰り広げている間の話。


 私、ラティとユリナはアーク君の兄であるガイアと対峙していた。


 ユリナは将来、私の旦那様(になる予定)のアーク君を除けば、一番の親友である。


 だから私もユリナもアーク君を傷つけたガイアを許せない。


「ヒヒッ……なぁ、あんな愚弟――アークのことなんて捨てて、お前ら、俺の女になれよ?」


 一瞬、こいつが何を言っているのか理解できなかった。


 え? 今、アーク君を捨てて、こいつの女になれって言ったよね? 気のせいかな??


「ラティ王女は……本当は俺のこと好きだろ? だって俺と話す時、いつも微笑んでいるだろ? アークみたいなガキには分からないだろうけどな」


「は?」


 何をどう捉えたら、私がガイアのような下種を好きになると思えるんだろう。勘違いも甚だしい。


「少なくとも女として満足させてやるぜ? まぁ、もちろん俺もベッドの上で満足させてもうがなぁ」


「本当に気持ち悪いんだけど」


「は? これくらい普通だろ?」


 思わず声に出していた。いや、取り繕うつもりもないからいいんだけど。


「あ、あの……少しいいですか?」


「ユリナ……?」


 ユリナは私とガイアの会話に入る。


 どうしたのだろう。ユリナはすごく人見知りだ。その人見知りのユリナが会話を止めてまで言いたいことはなんだろう。


「ラティは貴方に微塵も興味ないですよ……?」


「な、なにを言っているんだ? 平民風情が?」


 ガイアは明らかに腹を立てていた。だけどユリナはガイアの苛立ちを無視して言葉を続ける。


「だってラティ様がいつもアーク様と話す時……す、すごく可愛い顔していますから。す、少なくとも、今のあなたと話をしている時とは大違いです」


 私はユリナの言葉に同意しつつも、少し恥ずかしさを感じる。


 ユリナはなんだかんだ色々な人を見ているのだ。


 でもねユリナ。ユリナだってアーク君と話している時はすごく可愛い顔をしているんだけど……多分、気付いていないよね。


「あ、あと私はあなたの事は嫌いなので、ご、ごめんなさい」


 ユリナはサラッとガイアを振る。無自覚に男の子が傷つくことをするなんて……さすが私のユリナね。ユリナのこういうところは本当に好き。


「はぁ……残念だ。本当に残念だよ」


 ガイアは溜息を吐いた。いや、溜息を吐きたいのはこっちの方なんだけど。


「まぁ良い。徐々に分からせてやればいいか。それも楽しみかぁ」


 徐々に何を分からせるつもりなのか……こいつが想像しているのはただ一つだろう。なんでこいつ生きているの? 本当に無理。


「一つ良い事を教えてやろう」


 ガイアは指をパチンと鳴らす。自分のことに酔っている人がやる典型的な行動。


「どんなに高級なワインのタルにクソを入れれば、それはただのゴミに成り下がってしまう」


「……なにが言いたいのか分からないんだけど」


 それに例えに品がなさすぎる。この時点で話すことすら嫌。


「アークにお前らはもったいないってことだよ。あいつといると、美しいお前らの品まで下がる」


「品がないのはどっちよ」


「だが安心しろ。俺という存在で浄化してやるよ」


 あ、ダメだ。生理的に無理だ。しかもちゃっかり私の言葉を聞かなかった振りをしているし。もうさすがに我慢の限界なんだけど。


「それ、かっこいいと思ってんの? だからあんた女に嫌われるのよ」


「は? 嫉妬か? 俺はなぁパーティでもモテるんだよ。誰も彼もが俺と寝たくてウズウズしてんだよ。全員、俺の事が好きなんだよ……まさか、ラティ王女もお子様だとは……」


「お子様なのは貴方の頭の中ではなくて? 貴方に話かける女は貴方自身じゃなくて、次期公爵候補という地位と『剣聖』というジョブが目当てなの。あなた自身の事を好きな人なんて誰もいないから。自分の顔、鏡で見たことある? ないでしょ?」


「おい……好きに喋らせておけば、調子に乗りやがって……」


「ヒヒッ……いいさ。分からせてやるよ。恐怖ってやつをなぁ……」


「できるといいね」


 私は杖を構える。アーク君が授けてくれた力……【王家の短杖(SSS)】を構える。


「上級魔法【アイスメテオ】×10」


 私は手始めに上級魔法を放つ。半年前は5発撃つだけできつかったのに、


「あれ……? 魔力が減ってない?」


 正しく言うなら、使った瞬間魔力が回復をしている。


 最初は武器の性能に変化があったからだと思ったけれど、魔力の回復が武器の効果ではない。


 もしかして、さっきアーク君に貰った【魔力ポーション】のおかげ……?


 それなら、私が憧れていた魔法が使える。今までは魔力切れを途中で使うことが困難だった超級魔法を。


「【アイスメテオ】×100発分……超級魔法【アイスメテオシャワー】!!」


 絶え間なくアイスメテオの雨が降り注ぐ。


「ぐ、ぐわぁぁあああああ!」


 ガイアは苦痛の声を上げる。でもそんなものは生ぬるい。アーク君が受けた心の痛みはこんなもんじゃ済まない。


「おい……なんだよ! その魔法! 聞いてねぇぞ! この威力……【賢者】並みの火力じゃねぇーか!」


「まだ撃てるけど?」


「冗談じゃねぇ! その前に殺してやるよ!」


 ガイアは体勢を整えようとする。その前に仕留めてやる――


「私もいますよ」


 ――そう思っていた矢先、


「もしかして私のこと忘れていました?」


 ユリナは今まで聞いた事のない冷たい声色をしていた。


 私が魔法を打ち終わったを逃さず、超スピードでガイアの懐に潜り込んでいた。


「ぐ、ぐわぁぁあああああ!」


 ユリナはガイアに連撃を浴びせる。私にはしかしガイアは腐っても剣聖。致命傷になり得る攻撃だけはしっかりと防いでいた。


 しかし防戦一方。あまりにもユリナの攻撃を貰い過ぎた。致命傷は避けたが全身が血に染まっている。そしてさらにガイアが所持をしている【アダマンタイトソード】から『パキッ』と音がして、


「な!? お、折れた!? 家宝である【アダマンタイトソード】が折れた!? こ、これは嘘だ! 悪い夢だ!」


 ガイアは【折れたアダマンタイトソード】を構えて直して吐き捨てる。


「ふ、ふざけるな……! 俺は剣聖だぞ!!? お前ら如きに負ける訳ないだろ!!」


 あまりにもしぶとい。まるでゴキブリみたいだ。


 でもそろそろ終わりにしよう。


「君は弱いよ……それに私達に負けるようじゃ、アーク君には絶対に勝てないんだから」


「く、クソがぁぁあああ!!!」


「凍えて眠って――【アイスメテオ】」


『が、ガイアーーーー!!!』


 遠くからアーク君を追放したドネイク公爵の声が聞こえた。


 ガイアはピクリとも動かない。もうこれでアーク君に手出しをすることはできないだろう。


「ら、ラティ! やったね……あ、あとはアーク様ですね……」


「うん……私達は勝ったよ。だからアーク君も勝って」


 目の前には赤い蛇の姿をした化け物。アーク君はそんな相手と戦っている。


 私達はアーク君の勝利を祈る以外にできることはなかった。



お疲れの中、読んで頂きまして本当にありがとうございます!応援とても嬉しいです!


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― 新着の感想 ―
[気になる点] でもねラティ… ここラティの一人称視点の部分だよね
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