表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/56

第46話 現状説明

「アーク様! 大変です! 隣国から軍を率いてこの街に向かってきています!」


 ジャポリは王国の左端にある関係上、隣国と接している。隣国――クロイド帝国と王国の仲は決して悪い訳ではない。どうして今になって王国を攻めてくるのだろう。


「今の状況を説明してほしいんだけど」


 ここは領主の間。ハルカはメガネをかけ、長い銀髪を束ねている。束ねた長い銀髪がまるで馬のシッポみたいに揺れていた。


「まず前提として……ジャポリの街からさらに東にクロイド帝国という国が存在しています。基本的には貿易での交流が盛んなのですが……」


 王国とクロイド帝国が写った地図を見せる。ハルカはキーチクから解放された後、ジャポリのために働いてくれている。『せめて自分ができることを』と言って、国内外の情報を詰め込めるだけ詰め込んだように勉強をしていた。


「クロイド帝国は冬になると凍ってしまう港があるんですよ。そのせいで食料を王国に依存しているんですよ。冬になっても凍らない港に加えて、その道までの領土拡大……おそらく、クロイド帝国の狙いはそこにあると思います」


 それならばいっそハルカに情報官として立場を与えて、ハルカの好きに動いてもらった。平穏な平和が続くと思っていたから、まさかハルカの知識が必要になるとは思っていなかった。


「なるほどね……」


 ハルカの説明はとても分かりやすかった。たしかに食料は国民が飢えるかもしれないなら、戦争をしかけに行っても不思議ではない。港は凍るくらいなら寒いのなら、植物も取りづらくなるだろうし。


「ただ、どうして今なのか……というのが分かりません。冬でもないですし」


「アーク君。ハルカが言った通りの情報で間違いないと思うよ」


 王女だから情勢はそれなりに詳しいはずだ。


「あ、それとなのですが……妙なことが一点ありまして……」


「妙なこと?」


「どうも通常の進行に比べると、明らかに遅いスピードで移動しているみたいなんです。このままだと通常2日で辿り着きます。ですが領土を獲得するなら、可能な限り早く進むのが当たり前の戦略です」


 戦略は色々ある。長い時間をかけてゆっくり進行する戦略もある。だけど大軍の進行を隠すこともなく、進行させるならば何が意図がないとおかしいのだが……


「そんなに遅いの?」


「はい、いくらなんでも時間をかけすぎです。このままだと倍はかかります」


 それはたしかに……クロイド帝国側が何を考えているか分からないけれど、時間がかからないなら、僕達もやりようがあるはずだ。


「だとしたら、ジャポリの街に到達する前になんとかしないとね」


「というか、ハルカはなんかすごく真面目になったね……なにか企んでるの?」


「嫌だなぁ~。アーク様は私を養ってくれるご主人様だよ? そんな粗相になるようなことできないじゃない?」


「そ、そうね! さすがはハルカ……! この三か月の間、勉強した甲斐はあったね!」


「お褒めに預かり嬉しいかな? じゃあご褒美に今度アーク様一緒に寝てもらってもいい?」


「いや! それは粗相だよ!? アウトだよ! 真面目になったって言葉は返してもらうよ!」


「は、ハルカお姉ちゃん……?」


 ユリナはハルカの言葉にプルプルと小鹿のように震えていた。


「あっ! 冗談! 冗談だよ、ユリナ! だから泣きそうにならないで!?」 


「な、泣きそうになってないよ?」


 ハルカはユリナが泣くのではないかと必死に焦る。何もなければ、すごく微笑ましい光景なのだ。


「本当に? 泣きたかったら泣いてもいいんだよ!?」


「ハルカお姉ちゃん!? 私は子供じゃないんだよ!?」


「ハルカ……あんた妹には本当に甘いよね」


 ラティが呆れたように笑う。


 ラティが言うようにハルカはユリナに甘い気がする。でも大事にしていた妹と数年振りに再会できたら、甘すぎるように見えるのかもしれない。


「あ、パパに手紙を書いとくね! 何かあった時に助けになってくれるだろうから!」


「ありがとうラティ。お願いするよ」


みんなに助けられて、今の僕がある。


「それじゃあ、そろそろ行こうか」


 そんなやり取りができるのは、まだ平和を噛みしめているから。そんな平和のやり取りができなくなる未来になってはいけない。


 絶対に勝とう。僕達はそう心に誓って戦場に向かって歩き始めた。


お疲れの中、読んで頂きまして本当にありがとうございます!応援とても嬉しいです!


それといつも感想、誤字報告ありがとうございます!すごく嬉しいです!!


【東田からのお願いです】


・面白い!

・続きが読みたい!

・更新応援してる!


と、少しでも思ってくださった方は、


【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★にしていただけると嬉しいです!】


「一気読みしてくださった方」「ブックマークはしているけどまだ評価を入れていない方」はぜひぜひ応援してください!


東田は褒めて伸びちゃうタイプです!皆様の応援が東田の原動力になります!皆様のより応援を頂けると嬉しいです!


その分、ご期待に応えられるように頑張ります!


何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆★☆新作のハイファンタジー作品を公開しました!めちゃくちゃ面白いので是非是非ご覧下さい!!★☆★

https://ncode.syosetu.com/n8050jh/ ざまぁ確定の悪役貴族に転生した俺が、最推しのラスボスヒロインと結婚することになったので原作知識をフル活用して幸せになります~なお、嫁を馬鹿にした勇者は俺の敵じゃありません~

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ