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第4話 SSSレアにしたドーピングの効果

『あなた達!! 恥を知りなさい!!』


 ラティの声だ。声色は明らかに怒号を含んでいる。


「ラティ! どうしたの!?」


 ラティは小さな女の子を抱き抱えていた。小さな女の子は「ひっ、ひっく……」と、すすり泣きながらラティの胸の中で震えている。


 ラティは二人組のガラの悪い男を睨みつけていた。


「どうもこうもないよ!! こんな往来で小さな女の子をいい大人が突き飛ばして!! こんなのが王国の民だなんて恥ずかしいよ!」


「ちょ、ちょっとラティ落ち着いて……」


 ボス的なスキンヘッドの男が前に出てラティにスゴみを効かせる。


「おうおう嬢ちゃん。俺が誰だか知らないのか?? ずいぶんとデカイ口を叩いてくれちゃったなぁ!?」


「そうですよね、兄貴ぃ!! このメス、兄貴のこと知らないんすよ!! 分かせてやりましょうよ!!」


 取り巻きの男が笑みを浮かべて言う。僕の幼馴染みに『メス』と言ったことは許し難い。


 現状でも王族侮辱罪で死刑になってもおかしくない。だけどラティはしないだろう。ラティは自分が保持している権力を振りかざすのは好きじゃないから。


「ちょっと待ってください」


 僕はスキンヘッドの男に声をかけると、スキンヘッドの男はジロっと鬱陶しそうに僕に目を向けた。


「なんだガキ。今は見ての通りいい大人がガキに教育してるところなんだよ。それともなんだ?? お前も俺に教育してほしいのか?? だとしたら、後だ。この生意気なメスを教育した後でじっくりと遊んでやるよ」


 ラティが言った『いい大人』とは遠回しに大人じゃないという意味で使ったのだけれど、スキンヘッドの男は理解していないのだろう。


「なにがあったかは知りませんが、こんなこと止めましょうよ」


「なにがあったか知らねぇのに。ガキが一丁前にご高説垂れるとはぁいけねぇな。いいか? 教えてやる」


 個人的には自分より力の弱いであろう女の子に偉そうにしている人に教えてもらうことは何もないのだけど。


「このメスガキはなぁ。俺が歩いているところを気にせずにぶつかった。だから教育していたら、今度はこのメスが俺に楯突いた。これで十分に理解できるだろ??」


「え? たったそれだけ??」


「おめぇ……物分かりが悪いなぁ……!」


 スキンヘッドの男はこめかみに血管を浮かしている。どうやら僕に対して怒りの矛先が向いているみたいだった。


 しかしスキンヘッドの男が怒っている理由はあまりにも自分勝手すぎる。


「気が変わった。お前から教育してやるよぉ」


「悪いのはあなたですよね?」


「うるせぇ! ガキが死んどけや!」


「ちょっとやめてください!」


 スキンヘッドの男は僕に殴りかかってくる。僕は殴ってくる軌道に合わせて、避けて腕を掴みそのままスキンヘッドの男を投げた。戦場で剣がない状況に陥った時のための技が役に立ちそうだった。しかし、


「う、うわぁぁあああああああっ!!!!」


「「「えええええっ!?」」」


 問題は思った以上に飛びすぎた事だった。


「あ、兄貴~~~!」


 スキンヘッドの男はそのままレンガの壁にぶつかって……それでも尚止まらず、五十メートルほど離れた城壁にぶつかって、それでようやく止まった。し、死んでないよね……?


「あ、兄貴大丈夫ですか!?」


 取り巻きの男は全力でスキンヘッドの男の元に走る。スキンヘッドの男はよろめきながらも何とか立ち上がる。よ、良かった~! 死んでなかった~!


「っ! お、俺ら殺されるかもしれん! さっさとズラかるぞ!」 


「ひ、ひぃぃ! お、覚えてろよーーー!」


「馬鹿野郎! 覚えられてたら大変だろうが!」


「兄貴! すんません!」


 そう言いながら、二人は早足で逃げて行った。


 これがレアリティを変更したドーピングの力か……。


「アーク君、今日で二回も助けて貰っちゃったね。本当にありがとう」


「お兄さんありがと!」


 ラティは頬を赤らめている。ラティが抱きかかえている女の子も頬が赤いように見えるのは気のせいだろう。


「あのぉ。娘を助けて頂いてありがとうございます。本当に助かりました」


 女の子の母親が僕にお礼を言う。たいした事はしていないのだけれど、二人が無事で本当に良かったと思う。あと少し買い物に時間をかけていたら……と思うと背筋が凍ったようにゾッとした。


「いえ、大丈夫ですよ」


「ほら、ミーちゃんも二人にお礼を言いなさい」


「うん! お兄ちゃん! お姉ちゃん! ありがとう!」


 そう言ってミーちゃんという女の子と母親は僕達の元を去っていった。


「ところでアーク君? 後でこっそり何を使ったか聞いてもいい?」


「……はい」


 その後、僕はラティに謝ることになった。


 女の子を待たせるのはいけないことだと身に染みて理解することになった。

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