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第38話 聖女リュミエール

「なんだそれは……? はぁっ!? こ、これは!? 聖女の証!? 何故貴様のようなメスガキが持っているんだ!?」


「そりゃあ、 私が聖女だからだよ?」


「う、嘘だ! ありえない……! こんな街のことだ! ど、どうせ盗んだか偽物を作ったかに決まっている! 聖女を騙るなんて……天罰が下るぞ!」


「これのレプリカすら作ることなんてできないのは、聖職者なら誰だって知ってるでしょ? それに|私≪聖女≫以外にこれを手にしていたら、身体が砕け散ることも。これで私が聖女だということが、本当は分かっているはずなのにね」


 カンユウは悔しそうな顔をして、地面に膝を着く。リュミエールは聖女だったのか……どうして僕達に聖女だと黙って近づいたのだろう。


「私が聖女だと嘘をついていると思い込んでも構わないけど、もう君の居場所はないよ。みんなを不幸にする自分勝手な奴なんて要らない」


「し、しかし! このジャポリの街が我らの聖水を騙っているのは事実ではありませんか!?」


「周りがそう言って頂いているだけで、僕は聖水としてなんか売り出していないけど」


 さすがに言い掛かりがすぎる。たしかに魔法石から温泉の効能によって悪魔が弱体化したことは事実で、王様とかの身内には聖水並みの効能があるという打ち出し方をした。


 だけどジャポリの街を紹介するために王都で流した動画では、聖水であるという旨の言葉は一切使っていない。わざわざ教団と敵対するメリットなんてなくてデメリットしかないのだから。


「アーク殿……そんなことは関係ないよ? だってこの温泉は聖水であることは間違いないよ。聖女である私が保証する。温泉なんてお忍びで入ることくらい簡単だよ? だから事前に調べてきたけど……これは間違いなく聖水だよ。どうしてこんなことになっているのかは分からないけれど」


「そんなバカな! それじゃあ私の計画は……」


「そんなのは知らないよ。そもそも悪だくみをする方がいけない……しかも誰かを不幸にするようなこと」


「でも教団の権威が!」


「教団の権威じゃなくて、自分のプライドでしょ? ……もういいよ。とりあえず君は破門だから」


「ふ、ふざけるな! 私がどれほど教団に貢献したと思っているのだ!! そんな私を追い出すつもりなのか!?」


 カンユウは激昂していた。怒るのは筋違いだと思う。


「アーク殿? 軽く風魔法を使ってくれない?」


リュミエールは何かを企んでいるような笑みを浮かべている。どちらにしても、僕はカンユウと対立しても構わない。しかし、無駄に強くしてもジャポリの人達に迷惑がかかるから。


『【初級風魔法(SSS)】を一時的に【初級風魔法(R)】に変更しますか?』


「はい」


【初級風魔法(SSS)】→【初級風魔法(R)】


『【初級風魔法(SSS)】を一時的に【初級風魔法(R)】に変更しました』


「【初級風魔法(R)】……ウインドブレス!」


 僕は初級風魔法のウインドベレスを放つ。


カンユウの髪が飛ぶ。そしてカンユウの頭は太陽の光を乱反射させる。


「わ、私の秘密がぁあああああ!!」


 レアリティを下げたウインドブレスで哀れにもカンユウの髪――もといカツラは吹っ飛んだ。肉体的なダメージはないけれど精神的には大けがに違いない。


「その髪も偽りわった訳だけど……嘘ばかりだね、君は」


「黙れ! 私には神がついているのだ!」


 カンユウは聖女であるリュミエールの前で神がついていると豪語する。その姿は滑稽で見ていられなかった。


「あー、お前に神のご加護はないよ。聖女の私が断言する。ついでに言えば、髪の加護も失っているね。ドンマイ、強く生きて」


カンユウの結末は自業自得だと思う。だから僕は助けようとも思わない。ただ一つ、このカンユウという男に思う事があるとするならば一つだけ。


今後は反省して、人の幸せを願って生きてほしい。


「あー、そういえばアーク殿……改めて自己紹介」


 リュミエールは僕の方を向く。リュミエールの青い瞳の中に僕が映った。


「私はリュミエール。ジョブは『聖女』。将来の夢はダラダラ楽しく暮らすこと……よろしくね?」


 これが僕と聖女リュミエールの初めての出会いになった。


お疲れの中、読んで頂きまして本当にありがとうございます!応援とても嬉しいです!

それといつも感想、誤字報告ありがとうございます!すごく嬉しいです!!


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― 新着の感想 ―
[一言] カンユウと装甲騎兵ボトムズのクメンに 出てきたカンユーと何か似てる様な? 楽しく読ませてもらってますm(_ _)m
[一言] 偽りの髪にも見放さたのね
[一言] 丸坊主はある意味聖職者のあかしでしょ お茶目なのはいいが楽して生きたい聖女様か 全体で人員に問題あるなw
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