↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/22

閑話  魔法書と魔法式

本編に入れるとくどそうだったので、この世界での現在の魔法書の扱いについて。

 魔法書(ストレージ)。記憶できる容量に限界があり、また、睡眠をごとに覚えていた魔法式の構造が曖昧になってしまう人族が、使用する魔法式を覚え直す為に用いる外付けの記憶媒体である。


 木板、石材、羊皮紙、紙と材質は様々だが、大抵は本の形を取っていた事から魔法「書」と呼ばれている。



 人族に魔法という偉大な力が齎された最初は、魔法式も魔法書も違う意味合いで扱われていた。


 かつて、魔法を扱える才能を持つ人族は一握りであり、魔法式自体に魔力とその効果が込められていた時代があった。それは神の言葉、または力ある言葉と呼ばれていた。魔法の種類、使い方、作法、そう言った物は雑多で、秘術でもあったことから全く整理や分類は進まなかった。


 ある一派は、見込みのある者に対し、儀式によって有する魔力を区切り、整理と封印を初期に施し、術者の成長と理解に合わせて魔法式を「思い出す」事で制御する能力を得たという。魔法書は思い出した式と、新たに覚えた式、両方を記載していく覚書でもあったとされる。

 またある一派は、魔法書に書かれた魔力を宿す魔法式を時間をかけて覚え、それを言葉や動作にのせて行使したという。だが、魔力が込められた魔法式は、使うと記憶から消えてしまう。そのため、朝起きたらまた時間をかけて覚えなおすと言った具合だ。

 またある一派は、一子相伝で己の秘技を子、または弟子に伝えた。その際、秘薬や儀式を重ねて魔法式を実行する為の魔力回路を身に刻み込み、何代も受け継がせる事で扱える魔力量の増大と魔法式への理解と適正を増やしていった。魔法書は自らの生涯と探求が刻まれた秘奥義の集積で、世代を重ねて記載を増やすものだった。


 このように、概ね魔法書といえば魔法使いの生涯をかけて開発と研究をして記述を増やしていくものであったため、その内容を他人に知られる事は禁忌とされていた。

 幾人かの大魔導師の魔法書や魔導書は、それだけで強大な魔力を有しており、ものによっては独自の意識すら有すると言う。残された魔法書の研究を行ってその魔法式を自らの物としたならば、それらを記述した大魔導師達の階梯に近づける事と同義でもあった。



 時代が下ると、名の知られていない偉大なる大魔導師により魔法式と魔力は分離され、魔法式は記述自体はできるが魔力を通すまでは意味の無い文字と図形の羅列となった。


 最初は秘術を受け継いだ者達や、稀に居る魔力を強く宿した人族だけが魔力のない魔法式を扱うという時代を経て、人族がある時期から魔力を大きく増大させた事により、その様相を大きく変えた。


 現在では、魔法式とはそれ自体には魔力のないものを指す。そして魔法書は、開発された様々な魔法式の記憶を記載しておき、選んで使用する、または覚え直すための道具となっている。



 魔法式を脳裏の仮想領域へ新たに記憶する場合、認識化した魔法書から必要な魔法式を選び、瞑想して脳裏の仮想領域へ記憶する。


 魔法書を認識化した状態で脳裏の仮想領域へ呼び出し、現実界面へ転写、魔力を流して実行する事もできる。ただし、その場合は実行速度が落ちるのが一般的だ。


 記憶できる量は個々人で異なるが、無理に多く覚えても精神に負担をかけて魔法式の呼び出しと実行速度も落ちるため、使わない式は”意識的に忘れる”のが普通だ。



 魔法式は一般的に、規模が大きければそれだけ効果が高いとされるが、大きければその分、呼び出しから行使までの時間が伸び、精神への負担と必要魔力量が多くなってしまう。小さければ呼び出しから行使までの時間が短くなり、必要魔力量は少なくなるが効果はそれなりだ。


 大きな魔法式は、高度命令式(ハイスペル)の使用や圧縮構築化(ビルド)で式をコンパクト化する事で”みかけの”必要魔力量を低く、行使時間も短縮する事もできる。


 大魔導師や大魔法使いはそれぞれ、自らに合った形式で魔法式を開発・構築し、マクロ式では対応できない高度な術式を行使する。マクロ式ですら、一般の魔法使いで記述開発が行えるのは一握りだ。



 その事も踏まえれば、かの青年が1から構築した魔法式の数々、練習と称してそれを自由にいじり回す少年は、十分に異常だった。

繰り返しになりますが、魔法書は外付けHDDです。

術者の仮想領域は、メモリ兼本体側のHDDといった所です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。