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無理ゲー!?

「早かったなぁ、転生して1分も経たない間にゲームオーバーかぁ。」


俺の横には、とても犬とは思えないサイズに生き物がいる。


そいつは背後から俺の真横に顔を出し、横目で俺を見ながら、相変わらず「ハッ、ハッ、ハッ」と荒く呼吸を続けていた。


俺はなんとなく目を合わさない方がいいような気がして、ゆっくりと天を仰いだ。


後ずさったり、逃げたりしないのは、それが無駄なことだと頭が理解してしまったからだろう。


「空が青いなぁ。」


「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」


「あいつ、なんて場所に転生させたんだ。あとでたっぷり文句を言ってやろう。」


俺はすでに自分がこの後R指定、モザイク処理が必要な状況になることを覚悟していた。


「ワオォォォーーーーーン」


「いぃっ!?」


突然、天を仰いでの咆哮が放たれた。


それも俺のすぐ横で。


あまりに突然の出来事に俺は両の耳を塞いで、思わずこの巨大な犬を見た。


犬はすでに俺に目線は向けておらず、草原に目を向けていた。


目が合うことが無かった俺は一瞬安堵して、ようやく犬の全身を見ることができた。


顔の横にあった頭しか目視できていなかったが、予想よりさらに大きい。


大きな咆哮を放ったあと、凛と座り直した姿を見ると、全身を包む白銀に空の色を少し足したような美しい毛並み。


ピンと立った雄々しい耳。


ふわっと気品のある尻尾が、そっと身体の横に伏している。


一瞬、目を奪われた。


その、身にまとうオーラだけで、気高い生き物であることが伝わってくる。


もう一度、その顔に目をやった。


「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」


相変わらずまだ息を荒らしている。


その口元から「犬歯」と言うかわいい牙ではない、噛みつかれたらライオンだって逃げ出したくなるような立派な牙が見て取れた。


やっぱり俺は目を合わせるべきではないと再確認をした上で、ゆっくりと顔を伏せようと思った。


そして気付いた。


残念なくらい俺を見ていることに。


様々な妄想が俺の頭をよぎった時、周りの草むらからガサガサと何かが近付く気配がした。


それに気付いた時にはすでに俺の周りには複数の気配があった。


「ワオォォォォーーーン」


もう一度、さっきより小さめの咆哮が放たれた。


その瞬間、草むらから複数の影が飛び出した。


見回すと、俺の隣にいる奴の一回り小さいのが10体くらい姿を現した。


「雰囲気から察するにお前がこの群れのボスってとこか。」


ぼそりと呟く。


しかし、なす術が無いとは分かってるけど、見惚れてしまうほどかっこいいな。


犬ではなくて、でかいオオカミかな?


そんなことを考える余裕ができるほどに悪さをしてこない。


と、言うより、敵意を感じない。


このままおとなしくしていれば、ひょっとして事なきを得るんじゃないか。


たまたま偶然集合場所だったところに、俺が居合わせてしまったってだけなんじゃないかとすら思える。


よし、思い切って無かったことにして、ゆっくり後ずさりしてみよう。


思った矢先に群れのボスであろう俺のとなりにいたひと際大きな奴が立ち上がり、顔を俺の方へ寄せてきた。


「スンスン・・・。」


匂いを嗅いでいるのだろう。


俺は動くタイミングを失って、直立不動になった。

やっと、やっとのことで異世界生活始まりました!

長かった・・・

って、1話ごとの文字数が少ないからそう思うだけかも知れませんが(笑)


最近、私の現実世界にも色々変化がありました。

良くも悪くも人間関係に変化が表れ始め、ここから私にとって吉凶どっちに転がることか。

はてさて・・・

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