私は王の首が欲しい

◆◇◆しばらく休止中◆◇◆

　50年前、世界を守護していた神が消えてしまった。神無き世界は徐々に秩序が乱れ、人々の心はどんどんと荒廃していった。

　コランダム王国の王弟の娘として生まれたアデライド・ベルンは、類稀な美しさと才気を持った娘だ。しかし実の母に酷く疎まれ、家族の中でただ一人孤独な毎日を過ごしていた。
　アデライドが母から疎まれる理由――それは王に暴行された末に生まれた忌むべき子だったから。

　家族の輪の中に入ることもできず、王の子でありながらその身分を与えられることもない。孤独には慣れたとはいえ、それでも永遠に手に入ることのない愛はただただ眩しかった。

　すべての元凶である王を憎まずにはいられない。

　そしていつの頃からか、こう思うようになったのだ――“私は王の首が欲しい”と。


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お読みくださってありがとうございます。
こちらの作品は、別途連載しております『原作崩壊した世界で男装王女は生き抜きたい』のスピンオフ作品になっております。
時代的には本編の300年前の話なので、そちらを読まなくても全く問題ありません。

本編とはかなりテイストが異なります。
本編は異世界転生モノで乙女ゲームとかの要素もありますし、基本的にコミカルに進行させています。
しかしこちらはシリアスですし、グロい表現もあります。
本編を読んでくださった方は分かるかもしれないですが、アデライドの行く末は大団円のハッピーエンドとはならない結末です。バッドエンドというわけでもないですが。

そんなお話ですが、楽しんでいただければ幸いです。