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天使と悪魔の語り  作者: Mr.X
第一編
2/8

第二回「何が奇麗?」

第二回「何が奇麗?」



 とある花屋の店先で、青年が嘆いていました。

「見てくれよ、この花」

「まぁ、美しい花ですね」

色とりどりの花の中から、美しい女は青い薔薇を一輪抜きとって嬉しそうに笑いました。両手でそっと掴み、胸の前で薔薇を持って微笑みます。

「科学とは素晴らしいものですね」

「どこが良いんだよ。この花は、こんな色に染まりたいって言ったのかい?」

女とは対照的に、青年は寂しそうです。

そして怒りを隠すことなく、吐露しました。

「青い薔薇は不可能の象徴なのに、こんな事をして何が面白いんだろう」

「努力の先に生み出したものは、すべからく素敵ですよ」

そういって女が慰めても、青年は落ち込んだままです。

「・・・こんな風に命を弄んでいたら、きっと人間は罰を受けるよ」

暗い表情で青年はそう言いました。

けれど女はその言葉に瞬きをして、驚いた顔をしました。

「そうでしょうか? 私はそうは思いません」

青年は顔を上げると、笑顔を浮かべる女を見つめました。

「だって、ここの花は全て、人間が美しく育てたんですよ」

「そうか、そうだね。じゃあ全部、美しくなんてないよ」


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