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詩  作者: 本城 てるり
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「介護-3-」

「介護-3-」


女がボケた

ボケた女を旦那が見てる


旦那が先に死んだ

誰が見るのさ 子供もいない女を

誰が見るのさ 勝手に歩き回る女を


遠くの親戚も来ない

ボケた女の面倒はみない

ボケてなくても見ない


金がある

施設に入って 誰も来ない場所で 

死ぬのを誰もが待っている

札束は文句を言わない


金がない

施設に入って 誰も来ない場所で

息をしている

札はとっくにない


女はボケ続ける

なにを食べたのか記憶になく

なにを出したのか記憶になく

笑うこともなく 泣くこともなく

息をしている


ボケた女が死んだ

そばに誰もいない棺

誰もいない葬式

墓だけは決まっている

旦那の墓に


誰が花を供えるのか

誰が墓をしめるのか

誰がそれを決めるのか


いつか誰も知らない場所に

誰も来ない場所に骨は移るのだろう

ボケた女はいつ死んだのだろう


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