学校とは 17
とは言えど、殿下はこれからの為にも人との交流に、慣れなければならない。
ユリウス殿下の狙いは分からないけれど、いや、分かっても怖い様な気がするから、考えるのはもうやめにしよう。
私は風…風になるのよ…
そう言うなれば、大海原を飛ぶ鳥のように!
「……僕が言うのもなんなんだが、お前も大丈夫か…?」
「へ?」
どうやらまた顔に出ていたらしい。
そこには顔を引き攣らせる弟殿下と、今にも笑い出しそうになっている兄殿下がいた。
あらやだ。また私ったら。
ここに我が兄、ミカエルがいなくて良かったと思う。
多分何か盛り上げるような事言いつつ、後でしっかりと屋敷で説教をされるからだ。
あれはやだ。
そして、正座という文化がないからまだ、よいもののミカエルの叱り方は「もうっ!めっだぞ!?」とかそんな可愛らしい、いや、年相応な叱り方ではない。
最早、鬼である。
ああっ、たった数ヶ月前まではあんなにも優しい………いや、優しいというか、どちらにしても過保護なのだろうけど………。
兎にも角にも、急いで顔を物理的にも精神的にも、しっかり戻しエドモンド殿下に注意への謝罪とお礼を申し述べた。
「…あぁ、僕も不躾にすまない。」
若干、語尾が小声になりつつあるが、その表情を見ると顔は引き攣らせているものの、先程の青ざめるというのは無くなっていた。
お、慣れてくれたかな…?
少しの期待を持ちながら私は、手元に持っていた本2冊を抱きしめた。
だが、エドモンド殿下は何故か大きく息を吸い始める。
そして、それを吐いた。
それはもう大きく吸って吐いた。
うーん。綺麗な深呼吸。
急にそれをやられて驚きを隠せない私は、1歩足を後ろに引きそうになったが、耐えた。
根性で耐えた。
エドモンド殿下は、深呼吸を終え意を決したようにこちらに顔を向けてきた。
「その、お前を僕はなんと呼べば…?」
少し語尾は小声になりかけていたが、歩み寄りのその言葉は横にいた兄殿下も驚いたようで。
私も心の中で暖かくなって、つい頬が緩みそうになったが、なんとか抑えた。
偉い。
「殿下が呼びやすい様に呼んでください。」
「……呼びやすい、か…。ファナメリア…ファナ、でもいいか…?」
「勿論です。」
私の返事を聞いた後、エドモンド殿下はほっとした様な表情を浮かべていた。
横にいた兄殿下も心做しか安堵した様にも見える。
この人も一人の兄なんだなぁ……。
何はともあれ、その後からやっと会話が始まった。
お久しぶりです。
諸事情で更新が遅れすみません。また更新させていただきます。




