学校とは 7
色々カオスな状態になってから数時間後、私は母に運ばれて父や叔母らと共に、父の執務室へ向かった。
ついこの間、来たばかりだったのに久々に来た感じが強かった。
と言っても、執務室へ来たと思ったらまた、隣の部屋へ移動した。
けれど、今度は母も一緒。
移動する前に父が微妙な顔で不服そうにしていたが、母は素知らぬ振りをしている様だった。
その様子を見ていた叔母や叔父は何故か口に手を当てていたが、多分あれ笑ってるでしょ。
私はばっちり見たからな、二人の口の端が上に上がっているのを。
それより母は…そろそろ許してやれよ…。
一時的なものでも、あの方法以外考えなかった父も父だが…。
「そういえば、説明会ってユリウス殿下も来るんだよな?」
…ん?
ユリウス?
「あぁ、そう聞いている。何でも弟君達をまとめるために来るってさ。全く…ある意味自分の為でもあるのに…。」
目の前のソファーで、兄とエレンがお茶とお菓子を楽しみながらそんな会話をしていた。
因みに私は母の膝の上だ。
ユリウスと言えばこの国の三人いる王子の中で一番上の王子。
この国では、長兄が跡を継ぐ制度になっているから、王太子でもある。
………勿論、攻略対象だ。
やっぱり、”ファナメリア”としての出会いは学校説明会かぁ…。
確かゲームをやってる上で、主人公と攻略対象が会うのは学校に入ってからだと思うのだが…。
もしかしたら、その前に主人公から近づいてくる可能性がある。
光の見せた映像にあった逆ハーエンドは主人公が望んでした可能性があるってことだ。
あくまでも仮説に過ぎないけれど、注意深くしなければ…。
「ファナメリアは殿下達に会うのは初めてよね。」
「はい。どんな方達なのですか?」
幼い頃の攻略対象は、文面でしか出てなかったし、しかもそれぞれの攻略対象の鍵となる話しか出てこなかった。
鍵というのは兄で言う私やルディがどうして大切になったか…という一部の話だけなのだ。
その為、私としては攻略対象の幼い頃がすごく気になる。
だが、母がにこりと微笑みながら話してくれたのは、かなり理解不能な物だった。
「そうねぇ。三人とも可愛らしく面白い方達よ?」
………う、うーん!?
「ん?ファナは殿下達が気になる?」
エレンがクッキーを食べる手を止め、首を傾げながらそう聞いてきた。
そういうのはよくあざと可愛いと言われる仕草か…。
……っは!そういう事か…!
思い立った私は、母と向き合った。
「……お母様、…分かりました!可愛いというのは今のエレン様みたいな仕草をしているからなのですね!」
「はい!?」
「あらあら、ファナメリアったら~。」
びっくりしながらすっとんきょうな声を出すエレンと、ほんわかしながら私の頭を撫でる母。
…ん?違った?
「それでは殿下達はいつもクッキーを食べている事になってしまうわよ?」
「……たしかに…!」
んー、じゃあ可愛いってなんだろう…。
安直だけど、見た目とか?
幼い頃は女の子にも見える美少年だったけど育つとイケメンになった…みたいな?
むむむと眉を潜めながら考えてみても、やっぱり分からない。
これは会ってみるしか…。
小さく息をついて、クッキーに手を伸ばそうとすると、何故かエレンが今にもキノコを生やしそうな暗い空気を纏っていて、隣では兄がソファーをベシベシと叩きながら大笑いしている。
兄よ、ソファーが壊れるよ?
「ミカエル…僕って男だよね?」
「………あははっ………ごめ…………!あははっ!」
そういえば…。
「…あっ!エレン様すみません…。」
私は肝心な事を忘れていたのを思い出し、エレンに謝った。
エレンも私の謝罪に耳を傾けたのか、暗い空気が薄れていく。
「だって…叔父様はお兄様とエレン様が可愛いと仰ってましたから二人とも可愛いってことですもんね!」
私の言葉を聞いた瞬間、二人は一気に気を落としたようになり、ソファーの手すりに寄りかかってしまった。
「ファナ…それ違う…。」
「…うう…。」
おや?
ちょっと…いや、かなり主人公がお茶目になった回でした!
すみません!大幅に変えました…!




