学校とは 序
新章開始です!
ふわふわと体が浮く。
『………おおーい?』
また、あの鈴のような声。
さっきまでのことを思い出してみると、なんとなく”ここ”に来た意味が分かったような気がした。
『ちょっとぉ!聞こえてるんでしょ?』
「……うるさっ…聞こえてるよ。」
目を開けば、そこは辺り一面真っ白な世界。
そして目の前にいたのは、あの光がポツンといる。
光が煩かったので、攻撃としてつつこうとするが、案の定するりと後退してかわされてしまう。
顔をしかめてもう一回つつこうと光を指で追うが、私からの攻撃をかわすスピードが早くて当たらない。
………こ、このやろう……
『ふふっ、おもしろーいっ!!』
ケラケラと笑いながら光は、また私の周りを飛び最終的に頭の上に乗っかった。
『まぁ、今回ルディの魔力暴発を食い止められたからいいじゃない。』
「……まぁ、そうなんだけどさ。」
本当はルディがする事だった”魔力の暴発”。
それを私がやった事により、原作では名前以外出ていないの両親が表れたのは、まぁゲームをしていた者からするとかなり役得だ。
うんうんと「今回は自分良くやった。」と一人感心していると、光は頭の上から降りたのか私の目の前に来た。
『次は王子達との出会いイベントだけど、君は誰が一番好きだった?』
「…うーん?」
この国には王子が三人いる。
その三人とも攻略対象ではあったが、他のキャラもそうだったけれど、それぞれいいストーリーで何回もやり直した覚えがある。
なので、特にこの人というのは決まっていない。
皆素敵で皆好きみたいな感じだった。
光は『ふーん。』と言いながら、また私の周りを飛び回り始めた。
いつの間にか心を読まれていたのだろう。
けれど、私はハタと思い出してしまった。
「…ってあれ、今イベントって言った?」
『言ったよー。レミーナやミカエルの通う学校の説明会と魔力測定での出会いイベント。主人公はまだ出てこないけれど、君は”ファナメリア”だからね。』
「……おうふ。」
そうだよ。
まだ原作が始まった訳ではない。
けれど、私は国の筆頭貴族である公爵家の娘で、王族とも幼い頃から関わりを持っていてもおかしくはない。
しかも、学校。
そう、学校があるのだ。
平民も王族も関係なく、十歳から六年間通う学校があり、それは国で決められた物なので通うことは絶対である。
私は四歳とまだ学校へ行く年齢ではないが今回、兄の説明会に着いていってついでに説明を受ける事になった。
まぁおまけってヤツだ。
リリィとルディも勿論通っているのだが、私や兄の事情に合わせなければいけないので、特別に通信制で勉学に励んでいる。
いいなぁ…………
そして、極めつけは魔力の測定である。
私は来年六歳になる。
約一年間の猶予がある。
だが、魔力測定は貴族であろうが、平民であろうが強制参加である。
つまり、ここで攻略対象が主人公と出会う可能性があるってことだ…。
『そして君はそれを阻止せねばならないんだ!』
ですよねー………。
「………ねぇ、光さん?」
『なんだい、ファナメリアさん。』
「…………王子達とは挨拶だけでいい?」
『だめー。』
光はその場でくるくると回りながら私の意見を否定した。
正直「関わりたくない」の一言で済ませれたら、どれだけ人生設計楽なのだろうと思う。
今それをとても思う。
『それでは行きましょー!』
裏音声で「レッツゴー」なんて流暢な英語が聞こえてきそうな程、元気良い光の声が響く。
ちっくしょおおおおお!!!
心の中で滝の様な涙を流しながら、私はそう叫びそのまま、また意識が飛んでいった。
意識が飛ぶ寸前、光が何かを叫んでいたような気がするが、私はそれを聞くことができなかった。




