将棋の持ち駒使用に新たなルールを加えたい (エッセー:1500文字)
CC_BY_4.0
三国志・水滸伝や戦国・幕末ものなど、東アジアで人気の小説・ゲームでは、降伏した武将を配下に置けるようなものでないと天下は望めない。そしてチェス・将棋の類いは、そのシミュレーションゲームだ。娯楽のルールは時代と共に複雑化する。小説、漫画、ゲームだってそうではないか。
チェスはシルクロードを東に伝搬するうちに、戦いの再現度を高める方向に複雑化していった。その最終形態ともいえる将棋は、取った駒を再使用できるという、より現代的(昔なら皆殺しの筈だが中世以降は違う)な複雑化を果たしている。となれば、そろそろ次の段階に進化してもおかしくない。
そこで、将棋の持ち駒の使用に、新たなルールを付け加えることを提案したい。
1. 自陣の駒のうち飛車角を除く役職駒から2個だけ選んで再使用を禁止できる。
理由:
三国志で呂布が敗北した後、各武将・参謀が曹操から配下に加わるように打診されるが、降参しては以下となる者と、断って死を選ぶ者に分かれる。ならば、将棋にも「間違っても大嫌いな敵ボスの配下にならない」「忠義は全うすべく捕まって天下が定まるまで決して屈しない」駒があってもよさそうなものだから。さすがに飛車角でそれをやると将棋が終わらず、双方入玉の持勝負ばかりになりそうなので、それ以外の駒に限定ということで(*注)。
間違って使用した場合のペナルティ:
単純にその駒の持ち主が入れ替わる、或いは一手損する。もちろん、間違いを防ぐべく、始めから駒台に置かないという単純ルールでも良い。
2. 持ち駒は、歩を除いて敵の駒を1個取った後でないと、王手は掛けられない(待ち伏せに使うのはOK)。
理由:
傭兵で無い限り、普通は捕虜になったあと直ぐに敵の王を狙うようでは、武人として信用できない。そして「元味方」の兵を打ち倒したあと(捕まえた後)なら、気持ちも吹っ切れて、元の主を直接攻撃してもおかしく無い。歩が例外なのは、強制徴用された農民兵などの可能性があり、元の主に対して恨みをもっていてもおかしくないから(代わりに打ち歩詰めという反則技があると考えると、こっちもスッキリする)。
間違って王手をした場合のペナルティ:
単純にその駒の持ち主が入れ替わる。例外として空き王手は認めて良いだろう。なんせ、当武将にとっても予想外に違いないから。
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これを創作の応用する場合、このローカルルールによる普通の将棋との戦略の違いを説明する以外に、例えば
甲:将棋の得意な高慢ちきな相手が、このローカルルールを「まともに聞かずに」「見下して」、この条件で賭け将棋をするという状況を作る。
乙:ローカルルールで将棋を楽しむ、地獄か極楽かにいる武将達の回顧話(なぜ生け捕りにしなかったのか、とか)
丙:スパイ大作戦で、敵陣営のうち絶対に裏切らない2人を割り出す話.
などを思いつきますが、丙はともかく甲・乙は、設定さえ詰めればAIでも書けそうな、ありきたりな話になりそうなので、私は書きません。そのかわり本文はCC_BY_4.0とします。
(*注)このルールで直ぐに思いつく奇襲策として、先手飛車筋の歩(2七の歩)の再使用を禁止した上で、飛車先の歩の交換を強要する手があります。後手としては、角を上げて歩の交換を止めるぐらいしか対策が無く(同じ2筋の2三の歩の再使用禁止の上で交換を認めても角の頭上が危険すぎる)、戦術を狭められて上級者同士だとより不利になります。その対策として、2筋8筋の歩を再使用自由にするか、歩の全てを再使用自由にするか、先手は駒一つに対して後手は駒2つが再使用禁止になるという条件にするかなどが考えられますが、私の楽しむへぼ将棋のレベルでは大差なさそうなので、今は条件に加えませんでした。
あとがき:
私は将棋は「定石を一切覚えない」人間です。私にとって、将棋は気晴らしの娯楽+おしゃべりの為の手慰みなので(だからネット将棋には全く興味がない)ので、その為に沢山の定石を覚えるような真似は出来ないのです。昔の縁台将棋って奴ですね。
そういう人間にとっては、定石が通じないルール(定石が出来るまで年月のかかるルール)が欲しくて、上記のようなルールを考えてみました。




