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地底人友好協会 その3
で結香が人と顔を会わせるのはこのときだけである。
結香はまた一日中あの昭和の黒電話とにらめっこしていることが眠さの第一原因だと確信していた。
ーーあの屋敷の中を少しばかり探検してみたらずいぶん気晴らしになるかもしれない。じっとしていても眠くなるばかりだし。要するに私の仕事はあの黒電話が鳴り出したときにキチンと出て相手の要件を聞くことだからあの黒電話から遠くに行かなければ全然問題はないと思うの。
結香が第一の冒険に選んだ場所は事務所から屋敷に入った第一番目のドアであった。その日の朝そのドアを手にとりそして回してみたところ鍵はかけていないらしくドアノブがクルリと回りドアが開いたのである。結香がこの部屋に入る決心を固めるのは昼過ぎであった。時間がかかったのはその部屋は閉ざされており中は真っ暗に近かったからである。
結香はドアの前にたちドアを開いた。そして暗がりに手を伸ばし壁づたいに指を這わせていき部屋の電気のスイッチを探した。結香はスイッチを見つけると結香は指先に力をこめた。すると電気が灯り部屋の中を照らした。




