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ヒロインになりました  作者: 星見蒼


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3/3

2、ライバルの公爵令嬢は、男?

鏡に映るのは、こげ茶の髪と瞳を持つ、ほぼモブみたいなヒロイン。

(いや、モブではないか……)

基礎はヒロインだから普通に可愛い。

ただし――この状況になるって知ってたら、ピンクブロンド一択だった。


気を取り直して、教室へと移動する。

奴が『親親設計』と評したオートナビのおかげで、すれ違う生徒たちのデータ(名前・好感度)が丸見えなのは便利。

ただ、二つの記憶が頭の中でシャッフルされている感覚は、お世辞にも気持ち良いとは言えない。


(……うう、ぐるぐるする。授業なんて聞いてる余裕ないんだけど……)


そんな私の初登校は、誰にも声を掛けられないまま。

淡々と午前の授業が終わる。

友人ゼロ。切ない。


ため息を吐きながら、お昼休みを告げるチャイムとともに教室のドアへと手を伸ばした――その時。


――美少女と出逢った。


(うっわぁ……シャルロッテ様だ……)


金髪碧眼の美少女。これぞ、ゲームって感じだ。


さっきまで教室にいなかったから、何か事情があったのだろう。

なにせ彼女は、ヒロインのライバルで王太子の婚約者。

――公爵令嬢のシャルロッテ様。


ほんと美しい……と見つめて、見つめあって。


――え?


「サイラス??」


思わず呟く。


シャルロッテ様の情報が表示されるはずの空間に浮かんだ文字は、


【サイラス/男】


いやいや待って?

何言ってんの?男?男って?


百歩譲って、この美少女がシャルロッテ嬢じゃなかったとしても、男はないでしょう?


こんな美少女が男なんて――


あぁ~そうか。

みっちり授業受けたから疲れたんだ。目の疲れで文字がぼやけて見えたんだな。

そう思って目を瞑り、もう一度開く。


バチリと合った視線。

絶対零度の眼差し。

射すようなそれに、動けなくる。


白いほっそりとした手が伸びてきた。

随分と強い力で、手首を引っ張られた。


「お話があります。エレノア様」


めったに表情を変えないシャルロッテ様が、

それはそれは美しい笑みを浮かべた。

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