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マサキたちの陰謀

 雨上がりの自然界は生き生きしていた。

(未知留たちのお陰で、不法伐採する人もいないよね)

 安心しながらタウン間を回る。一巡りして、ヒマワリらしいのが咲いてた群れに出かけるつもりだった。

「あっ。煙」

 思わず声を出した。okanedayoタウンだ。屋上から一筋の煙が揺れて広がる。

≪予想。木炭と思われる≫ 

 さすが補助脳。煙から分析してみせた。タウンビルで火の使用は禁止だ。

(どこまで、勝手な人だよ)

 グライダーで屋上の上まで来ると、座席を降下させる。

「地区長。火の使用は禁止だよ。バーベキューかしら」

 バーベキューコンロを前に座る三人の男子体形。マサキとグレィ、あと一人が会ったことはないが補助脳が説明した。kurejiiタウンの議会長のチブルタランだ。

「調査員か。消火器も準備している。口をだすな」

 薄いマントを羽織り、立ち上がると大柄の身体を見せびらかす。マサキが助言したいらしい。

「チブルタラン様は、タウンを統一なさる御方だ。翼竜の使い方で重要な話し合いをしている。今のところは口を挟まない方が良い」

「kurejiiタウンでは腕力で勝負だ。やるか」

 チブルタランも短気らしい。拳を作って見せる。

「スポーツのタウンと呼ばれたのに、地に落ちたね」

 挑発にしか聞こえないはず。そこで、グレィがなだめる。

「まあ、まあ。調査員にも教えよう。チブルタラン様の味方になるかもしれませんぞ」

「そうか。うちの調査員、ユミヤは頭が固くていかん」

 チブルタランは座り、賛同者が増えるのはいいことだ、と呟き頷く。味方になるタウンを増やしたい思惑もあるようだ。

「俺も、ただ餌をあげてたわけではない」

 マサキが説明する。焼いた肉が好むと発見したらしい。補助脳は、間違いないと知らせる。

(いまさらだけど。アホタレも同じか)

「餌付けして、サーカスでも始めるのかしら」

「愚かな」チブルタランが笑って、何をするのか教える。

「焼肉をまけば、翼竜がやってくる。逆らうタウンには空からの攻撃ができるわけだ」

 グレィも頷く。

「調査員。各地の議会長を説得できるだろう。紙幣も望むだけあげるぞ」

「要らないし。アホタレは、いないじゃん」

 野放しだから、いないときも有るらしい。

≪藁が湿ってます。不快に感じる動物もいる≫

(なるほどね。補助脳も役に立つよ)

「いや。来る。確かめたからな」

 マサキは確信していた。

 やがて焼き肉の匂いが香り、風が空へ煙を連れて行く。

「キャキュキョー」

 空から鳴く声がして、舞い降りた翼竜アホタレ。

「お利口だ、さあ。あげてやるぞ」

 グレィが一一枚の焼き肉を端で取るが、網へ嘴を突っ込む翼竜。

「おおっ」後ろへ転げるグレィ。網を破って肉を啄んだ翼竜。

「網の安全基準も満たしてないね」

 久美は呆れながらも、危険を感じた。翼竜の鋭い目は、残りの肉へ注がれていた。

「キャキュキョー」二匹目が現れた。網へ直接首を突っ込んでバーベキューコンロを突き飛ばした。肉を入れてた箱が倒れて、大量の肉が転がり出た。

 二匹は、きゃっきゃっ叫びながら、網全体を揺らせる。飛んで回り込む知恵はないらしい。

「消火器は。中へ避難だよ」

 木炭が藁へ燃え移る煙がみえた。久美は近くへ置いてあった消火器を取るが、軽い。空っぽだ。

「キャキュキョー」「キャキュキョー」「キャキュキョー」

 新たに三匹の翼竜が舞い降りる。ここで、5匹は喧嘩もするが、網が揺らいで倒れてきた。

屋上への入り口が塞がれた。

「ヘリコプターだ」

 マサキが反対方向へ向く。

「待てぇ!」チブルタランがマサキの肩を掴んで引き倒した。

「君たちは翼竜の餌に成れ」

 言うとマントを広げる。

「三人は乗れる」

 言うグレィも黙ってしまった。

(そんなに喧嘩が強いのかしら)

 しかし、考えている暇もない。散らかった肉を啄んでいた翼竜たちが睨んできた。

「グルㇽー」何故か怒っているようだ。

「非常ランプ、点灯」

 久美が合図すると、グライダーは羽を赤く発光させる。翼竜としては自分より大きいサイズのモノが異常な動きをしたので、警戒したらしい。ようすをみるようにみつめる。

(三人は無理か、でも)

「中へ入って。ハニャー、二人に巻きついて」

「はいにゃー」

 翼竜の嘴を搔い潜り熱いところを探していたハニャーは、やってきて、七本の脚で座席へ二人を縛り付けた。

「さてと。来るかな」

 不審火の報告はされているはず。場所だけに惑星管理センターも警戒していた。グライダーが飛んで行くと同時に、赤く発光させたグライダーが来て、座席から降下してきた人物。

「明美、早かったね」

「グレィっていう議会長が誘ってたと、うちの議会長が言ってたから。ようすを見に来たけど」

 それで、不審火の連絡も入ったらしい。翼竜たちも餌以外は興味もないように飛ぶが、下へ向かう。

「地上へ、危ないよ」

「乗って」

 さっそく明美のグライダーへ乗り込む。シートの後ろは窮屈だがしかたない。

「アホタレ飛来、火事は」連絡が来た。

「郁美、アホタレ優先」

 明美が返事した。ハニャーが熱を奪ったらしくて煙も見えなかった。元々湿ってもいたので、早期発見で消火できたわけだ。

 なるほど。五機のグライダーが追いかけて、翼竜たちは空へ逃げて行く。

「犯人捕獲。久美は屋上か」

「恵梨香、久美も同乗」

 チームワークも取れていた。


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