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第9話
「恋敵がいるのね」
ラルは「はい」と言いつつ視線をケイティからメンクロスに移した。メンクロスから殺気が放出される。にこやかに笑っているが暗い笑みだ。「ひ」と視線を逸らし「以上です」と着席するラル。
とそこでアラート音がブリッジにとどろいた。回転灯が真紅に光輝しながら回る。ビービーという電子音も耳障りだ。「どうしたの!?」という艦長ケイティの声を塗りつぶす様に通信を逃してバリトンの声が響く。イライラとさせるテンポで、下品さがにじみ出ている。あまり付き合いたくない相手のようだ。