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第6話
「あ、それ、僕のペットです」とラル。
「あんで、昆虫を連れ込むのよ! 許可出してないでしょう! 規定違反よ。覚悟しなさい!」
「ひえー、なにとぞご勘弁を! 大きな御心で」
そわそわするラルと、操縦士をからかってやろうと考えているケイティの間には温度差があった。まっとうに震えるラルと、芸の一つでもさせようかというケイティ。「操縦はオートパイロットになさい」と指示を飛ばすケイティ。どこか余裕の微笑みを浮かべ虚空を一瞥し、いろいろと勘案しているようでうすら寒い。気持ち的にだが。空調設備に問題はない。