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第41話

「メンクロス様」


 呼びかけに応じて、慌てて王子の威厳を喪失しないためにハンカチでさっと目を拭い、真っ赤にはれさせた目で相手を見た。ケイティだった。片手を腰に当て何かを差し出す。物々しい雰囲気である。いったい何だろうと不安視するメンクロス。しかし、ここでひくわけにはいかない彼である。凛とした声を発する。


「手紙ですか?」


「ええ、私の愛をつづった手紙ですよ」


「へ」


 情けない声を上げたメンクロスは「おほん」と咳をし「ありがとう」と返した。去り行くケイティを眺めながら、そっと開封した。


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