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第21話
「だんだん、相手は高度を下げてきましたよ、ネイラーさん」
「動きが鈍ったら全員電気サーベルを振るえ、いいな?」
「「「「はい」」」」
倉庫内の静々とした冷房機による冷風は職員たちの体力をじわじわ奪い始めていた。夢や希望をもってこの職に就いたものも多い。貴族だけでなく一般人からも人を募ったのだから。ネイラーは故郷に残してきた両親の写真を肌身離さず財布に入れていた。自分を愛しいつくしんでくれた最愛の家族。人として、貴族としてどうあるべきか幼き頃より叩きこまれた。峻厳な部分ももちろんあったが今はとても感謝している。