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第100話
「安いですね。この金額で大丈夫ですか?」
「ええ、この星はその値段で何とかなりますので」
「そうですか、よかった」
ケイティは倹約家なのでそんな反応なのだろう。メンクロスは先ほどから背後から視線を感じている。誰もいないのに。どうやら霊的な何かのようだ。和気あいあいと話し続けるケイティらを放置し立ち上がるメンクロス。秘書が「何か?」と質問する。
「この部屋には霊的な存在がいます」
秘書は笑ったりせず「そうですね」と返した。意外なリアクションだ。奇異な目で見られると覚悟していたのに。「宇宙に生きたかった少年の霊です」と言う秘書に「そこまでわかっていてなぜはらわないのですか?」と返すメンクロス。