秘密基地にスパイみたいに潜入? ー17ー
「見つからない以上、怪しいのはこれね。写真じゃなくて、権利書が隠されてるのよ。これも同じ鍵で何とかならないの?」
試してはみるけど、権利書は隠されてないと思う。ここ自体が隠された場所だし、写真立てが伏せられてるのも怪しい。けど、商店街側ととっては重要な物でも、東雲側にとってはそこまでとは思えない。
俺としては裏をかいて不倫写真その二や、コスプレした写真とかの流出して欲しくない物に一票。
「開けれるみたいだ」
鍵の大きさは違ってたんだけど、合わせるように変化した。これって、東雲関係なら何でもOKじゃないのか?
「中身は……ひっ!」
会長は中を確認すると、すぐに伏せられた状態に戻した。全裸の写真だったりもしたのか。権利書じゃないのは確かだな。
「権利書じゃなくても重要な物みたいだし、持ち帰った方が交渉材料になったりするんじゃないの?」
俺も写真立ての中身を確認してみる。男の裸なんか見たくないけど、心の準備は終わってる。
「うおっ!」
写真だとは思う。けど、右目だけが切り取られた形で残されてる。それがジッとこちらを見て、まるで仲間になりたがってるかのよう。ホラー系がここで来るとは思ってなかった。
「持ち帰るのはいいけど、田中君の道具にしてよね。見るからに呪われた感じじゃない」
「……まぁ、俺が言った事だし」
手に取り、胸の中に当てると道具欄に入る。その写真の目が嬉しそうに感じだのは気のせいにしておこう。
「田中君が見えた幽霊は何がしたかったのよ? まぁ……そのおかげでSキーの事が分かったんだけど。これがあれば他のドアも開けれるでしょ」
レムリア?はホラー繋がりを考えると、目的はこの写真な気がするんだけど。それよりもSが東雲だと分かれば、基地内で開けれないドアはないと思う。
「これがあれば侵入出来るなら、今日はこれぐらいで」
深夜一時を過ぎようとしてる。やめるのは簡単だけど、部屋に一度戻らない限りは死亡扱いになり、この写真も手に入らない。下手したらSキーも無くなる可能性も。
「何言ってるのよ。商店街にはそんな時間は」
東雲の部屋を出ると、暗闇だった通路に光が照らされ、直後に警告音となるベルが鳴り出した。




