秘密基地にスパイみたいに潜入? ー4ー
「何かあると戦闘員が指差したと思えば、咲哉さんじゃないですか?」
「あっ!」
声を掛けてきたのは岩男。男子トイレの窓から顔を見せている。店長、ゲス大佐の戦闘員が前を通り過ぎたから、警戒心が強まったのかもしれない。
「何でこの場所に……協力するために来てくれたのですか?」
本当は逆なんだけど、岩男は勘違いしてくれたみたいだ。戦闘員達が取り囲もうとしてるのも、解除してくれた。
「そうだ! 協力に来てくれたのに、フレンド申請を何で受け入れてくれないですか?」
「それは……」
「そうか! 俺は良いとして、フローラとフレンドは嫌なんですね。分かりますよ。俺だけフレンドになると俺達に対する印象が代わるから。俺のためなんだ」
こっちは何も答えてないのに、次の質問に移って、自己解決してる。用心棒で会話も少なめ、岩みたいに硬いキャラではなく、自己中の軽いキャラなのかも。フローラの前だから別人のように振る舞ってたわけだ。正直面倒臭い。
「そうそう! アイツとは気が合わないと思う。東雲に入っても、配下になるのは嫌だし。けど、東雲がどんな場所か見学出来たりしたら気が変わるかも」
これは俺じゃなく、会長。岩男を利用して、基地に入るつもりなんだ。こういう交渉や性格を把握する事を役職柄得意としてる。
「やっぱりか。俺も上を代えて欲しいとか、別の所属に行くか悩んだからね。アイツのフレンド申請を利用すれば、見学ぐらいは何とかなるかな」
いやいや、会長は誘われてないから。岩男も俺が仲間になりたいみたいに話を進めないで。
「善は急げと言うし、今からでも。ゲス大佐に手を焼いてるみたいだから、フローラを倒したみたいな作戦を咲哉が考えついたら」
「それを俺の手柄に? ……仲間も撤退してるみたいだし、今から行くか。アイツも休みの日だから丁度良いかも」
岩男は会長の話術に嵌まってたみたいだ。
「私も咲哉の連れとして見学したいんだけど。一緒じゃないと咲哉が不安らしい」
「問題ない問題ない。一緒にいるという事は咲哉のフレンドなんでしょ。早速、東雲区に移動短縮するよ」
『咲哉はいないみたいに話が進んでいったんだけど、いいわけ?』
それをお前が言うなよ。




