秘密基地にスパイみたいに潜入? ー2ー
俺は公衆トイレの裏に回り、会長もトイレの窓から外に出た。
「来てくれた事に感謝するわ」
そんな事言いながら、頭を下げたりしてくれない。阿久真にヒーロー作戦をしてるのをばらすという脅しもしたぐらいだからな。
「無理矢理に近い形だけどな。今はどんな状態なんだ? ばたついてるのは東雲側に見えるんだけど」
俺が見た限りでは店のシャッターは全て閉められてた。客達の姿はない。いるのは東雲の戦闘員達と岩男。その中に商店街側のヒーローが誰一人見えない。それなのに爆発音などが響き渡ってくる。
それに対して戦闘員は逃げ出したり、消えたりしてる。東雲と商店街では戦力には差があって、いくつかの権利書は奪われたはずなのに、巻き返す力があるとは思えないんだけど。
「拓兄さんが動いてくれたみたい」
俺に手を出すなと言っておかないとおきながら、商店街を助けるなんて悪の風上にもおけない。まるで正義のヒーローだ。会長も何か嬉しそうだし。
「動いてくれたって……店長は仕事中のはずなんだけど」
俺のバイトが終わっても、店長の仕事が終わったわけじゃない。がっつりヒーロー作戦をやる暇はないと思うんだけど。
「ゼッ」
「ゼッ」
俺と会長が会話してる中、見た事がある戦闘員達が前を通り過ぎる。直後、公衆トイレ前の店が爆発して、東雲の戦闘員達を巻き込んだ。
「店長は戦闘員達を動かしてるのか」
店を爆発させるだけでなく、道の真ん中に落とし穴を作ったりと戦闘員達に罠を仕掛けさせてるみたいだ。多人数相手に罠を設置するのは良いアイデアだと思うし、守るための場所を容赦なく爆発させるのは流石というべきか。
「守りたいのは現実の商店街だから、問題なしね」
会長も店長のやり方を批判する事はないようだけど。
「……優勢なら、俺は必要なくない? 権利書は全部奪われたら負けなんだろ」
「駄目よ。何が起きるか分からないんだし、私も力になりたいのよ」
そんな事言ってるけど、動くのは会長じゃなく、俺だろ?




