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【3-11】 僕のこと

その後、僕らはインゼクトダンジョンへ度々挑戦をしに行った。ア-ノルドとエルマ-が予約している船の出航日まで、二人はダンジョン攻略をして小遣い稼ぎをする予定だったので、それに僕が便乗させて貰った形だ。

最初はぎこちなかった僕の連携は、回数をこなすうちに形になってきた。魔法の扱いも慣れてきて、初級レベルだったものが中級レベルの魔法を扱えるようになってきた。

実際冒険者ランクも上がり、FからⅭへとランクアップした。

そうなってくると、僕もだんだん冒険者らしくなってきたと思うと嬉しかった。これもア-ノルドとエルマ-のお陰だ。感謝してもしきれない。初めて一人でインゼクトダンジョンに挑戦し、蚊の大群に出くわして慌てふためいたことやでかい(ゴキブリ)に出くわして気が狂いそうになったことが、今となっては懐かしくさえ思える。

冒険者としてなんとか食べていけそうな気がしてきた。


アルバン先生とはあれから連絡がないし、連絡をしようと試みたが通じたことがなかった。僕は自分の身の振り方を、冒険者としてやっていこうと思っている。一方で僕は僕が逃げなくてはならない理由が知りたかった。まだ逃げ続けていかなくてはならないかも。

ラインから離れて鉱石の国の西の沿岸都市シュレ-スにいるが、ここから離れて色々な国を旅してみるのもいいかもしれない。しかし、どこか決めかねている。

ア-ノルドとエルマ-は、船で海の向こうの魔法の国へと向かう予定だ。

僕も彼らと一緒に同行したい。しかし自分の置かれている立場がはっきりしない以上、彼らに頼るのは違うような気がしていた。

「 のぶ。君は異世界人だろ?」

ダンジョン攻略後、帰る用意をしているとア-ノルドが突然僕に尋ねてきた。

僕はギョッとした表情のまま固まっていた。すると、ア-ノルドが続けて言った。

「 いや、ほら、さ。のぶ、なんて名前、聞かないもんなぁ。苗字もなんだっけ?と-ど-?」

あ、言われてみれば特殊な名前か。隣のエルマ-を見ると、うんうんと頷きながら聞いている。

僕は一瞬迷ったが、思い切って話をしてみることにした。とは言え、ここでは人目に付く。

「 この話は、宿に帰ってからでいいですか?」

ア-ノルドに意を決して応えると、

「 じゃ、そう言うことで。馬車に乗ろうか。」

三人は帰りの馬車に向かって歩いた。



宿に到着してから三人は風呂に入り、さっぱりしてから夕食を一緒にとる。夕食後にア-ノルドの部屋に集合することになった。

ア-ノルドの部屋で、僕はア-ノルドとエルマ-に今までの経緯を話した。二人は黙って聞いていた。有名人なのだろうか。アルバン先生やエドガ-の名前を出すと、おやっという顔をした。

「 実はアルバンとは冒険者として一緒のパ-ティにいたことがあるんだ。」

とエルマ-に言われ、僕は思わず世間の狭さを感じた。

「 アルバン先生と知り合いですか!」

「 マブダチ、だよ。魔法の国の魔法学校で一緒だったんだ。学生の時に、僕とア-ノルド、アルバンと一緒にダンジョン攻略したもんだよ。」

とエルマ-が懐かしそうに話した。

「 こんなところでアルバンの弟子に会えるとはなぁ・・・・」

ア-ノルドがしみじみと言う。

僕はアルバン先生やエアフルト領について知っていることはないか二人に尋ねてみたが、いい返事はなかった。ア-ノルドとエルマ-は冒険者として頻繁に連絡をしているが、アルバン先生とは年に数回連絡をしあうだけで、最近は連絡を取っていないとのことだった。

またエアフルト領にしても、異変があったという噂は聞かないという。

「 秘密裏に何者かが画策してお家の一大事が起こっているのかもしれないが・・・・」

「 しかしアルバンが逃げろと言って逃がしているわけだから、何かが起こったんだろうな。」

ア-ノルドとエルマ-が二人して色々と推測を交えて話しているのを聞いて、僕は段々不安になっていった。アルバン先生は元気なんだろうか。アルバン先生だけじゃない。エドガ-にオルフだって無事だろうか。

彼らが簡単に負けるとは思ってないが、不意打ちを食らえば誰だって負ける可能性はある。死ぬ可能性だって。

「 あ、そう言えばアルバン先生に通信機を持たせてもらってたんだった。」

僕はズボンのポケットに入れていた魔法具の通信機を二人に見せた。

二人は通信機を見ると、

「 のぶ。これ、魔力切れ。」

「 ・・・・え?魔力切れ?」

「 うん。魔力切れ。だから通信はできない。」

「 でも最初からこの状態で・・・」

ア-ノルドとエルマ-は、あっけにとられた顔をした後、二人して爆笑した。

「 あいつ、本当にバカだなぁ。」

「 肝心な時に抜けてるところは、変わってない。」

僕がきょとんとして状況についていけないでいると、

「 悪い、悪い。アルバンは魔法師としては文句なく優秀な奴なのに、肝心な時に凡ミスするところがあるんだ。」

エルマ-は笑いながら言うと、通信機に魔力を込めていった。

どんどん魔力が込められていく通信機は、ランプが赤から黄色へと変わっていった。

どうやらランプの色が、魔力量を現している様だ。

「 よし、これで半分くらいは魔力量が貯まってるはずだ。スイッチを入れて通信してみるか。」

エルマ-は通信機の電源を入れ、通信を始めた。

だが、アルバン先生からの返事は、帰ってくることがなかった。

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