殺し屋
朝、起きると直ぐに勉強を始める、そうしないと殴られるから。
そうしたら素早く朝ご飯を食べ、学校へと走る。
学校に着く、靴箱で彼の靴箱に一通の手紙を入れる、何も書いてない白紙の手紙だ、まだ誰も来ていないからバレる事は無い。
これであってる筈、後は放課後を待つだけ。
午後の授業が終わり、部活が終わった放課後、私は屋上へと急ぐ。
永遠に感じる階段を駆け上り重い扉を押し開ける。
そうして出るとそこには居た、噂通り寝転んで杯で何かを呷りながら。
彼は私に気付くと起き上がって移動し、屋上の鍵を閉める。
「私を呼んだという事は、解ってるね?」
その声は普段の彼と異なり、とても静かで、そして力強かった。
「はい」
「そうか、まあ地獄の沙汰も金次第、報酬をもらえば神をも殺すこの殺し屋に何か用があるんだろう?」
「はい、私を殺して下さい」
そう、それが答え、私が死ねば良い、そうすれば全てから解放される。
「断る、私は殺すについて二つルールを持って居る。
一つ目は屑の依頼は受けない、汚職した政治家とかを守る事は無いって事だな。
二つ目は自殺者の手伝いはしないって事だ、死にたいなら勝手に死ねば良い」
「そうですか、それでは」
立ち去りかけた私を彼は呼び止める。
「何故死にたいんだ?言ってみろ」
私は全て話す覚悟を決めた。
「・・・全くお前の母親は屑の極みだな、自分の望みを子に押し付けるなよな」
「・・・はい、でも私にはそれが普通だったから」
「異常だと思わなかったって訳か、なるほどな」
思い切って顔を上げて問う
「あの、私は・・・」
全ていう前に手で制して彼は口を開く。
「その母親を殺したらどうだ?」
「そ、そんな事・・・」
「できる訳無いってか?出来るさ、私ならな。
お前は母親を殺すって発想自体出来なかったんだろ?それは虚像だ、そんな物は私が消し去ってやろう」
「それで私は何を・・・」
「無論対価は貰う。」
「お金ならあります、だから・・・」
彼はフッと笑う・・・自信に満ちたその顔に少しかっこいいと思った。
「金は腐るほどある、お前家族は母親以外居ないんだろ?
なら、【私の物になれ】」
「・・・え?」
「どうせ母親を殺しても生活は厳しいだけだ、なら私が養ってやる、そして訓練してやるからお前も殺し屋になれ」
「そ、そんな事・・・」
彼は頭をかく。
「いや、済まない、その気があればで良い、どの道対価は不要だ、その母親に私は虫唾が走る」
「殺してくれるの?」
「ああ、必ず」
「解った、何時?」
「今夜、お前が帰った時だ、お前の家は山の上、誰も来ないから簡単な仕事だ」
「解った、依頼する」
「それじゃあ少し待っててくれ準備してくる」




