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転生したら白ねこでした。お菓子魔法で異世界の心を癒やします。――もふもふカフェから始まる甘くてやさしい異世界生活――  作者: 明石竜


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第七章 魔法のお菓子

 翌日の朝、店に開けると、一人の少女が待っていた。

 十歳くらいの女の子。しかし、顔色が悪く、痩せ細っている。

「助けてください……」

 少女の母親が泣きながら懇願する。

「娘が病気で、何も食べられないんです。医者にも見せましたが、治らなくて……」

 話を聞くと、少女は「魂の萎え病」という難病にかかっているという。心が弱っていき、最終的に食事も水も受け付けなくなる病だ。

「何とかしてあげたい……」

しかし、私は医者ではない。何ができる?

その時、頭の中の知識が答えを教えてくれた。

「お菓子魔法なら、治せるかもしれない」

厨房にこもり、特別なお菓子を作った。

材料は、森で採れる薬草と、遺跡で学んだ特別な甘味料。そして、最も大切なのは、込める思い。

「この子が元気になりますように」

祈りながら、丁寧に生地を混ぜる。

オーブンで焼き上げる。

完成したのは、虹色に輝く小さなクッキーだった。

「これを食べさせてみてください」

母親が、少女の口にクッキーを運ぶ。

少女はゆっくりと噛み、飲み込んだ。

その瞬間、彼女の体が光に包まれた。

「これは……」

光が消えると、少女の顔色が明らかに良くなっていた。

「お母さん、お腹空いた」

少女が初めて笑顔を見せた。

「娘が! 娘が喋った!」

母親は泣き崩れた。

その後、少女は徐々に回復し、一週間後には完全に元気になった。

噂はすぐに広まった。

「もふもふカフェの主人は、魔法のお菓子を作れるらしい」

「病気を治す力がある」

次々と、病人や怪我人が店を訪れるようになった。

すべての病気を治せるわけではない。しかし、心の病、ストレスによる体調不良、軽い呪いなどは、お菓子魔法で改善できた。

「ココ、あなた、まさか……」

エリザベート嬢が問いただす。

「魔法使いだったの?」

「正確には、お菓子魔法の使い手、です」

事情を説明すると、彼女は理解を示してくれた。

「素晴らしいわ。あなたの才能は、お菓子を超えていたのね」

しかし、すべての人が好意的だったわけではない。


「魔法のお菓子だと? 怪しい」

「魔女の仕業ではないか」

一部の保守派は、私を魔女扱いし始めた。

「魔女狩りだ!」

ある日、暴徒が店を襲撃しようとした。

「待ちなさい!」

王女が現れ、暴徒を制止する。

「ココは魔女ではありません。彼女のお菓子は、人を幸せにするためのものです」

「しかし、殿下……」

「魔法が悪だと決めつけるのはやめなさい。大切なのは、その力をどう使うかです」

王女の権威で、暴徒は解散した。

しかし、問題は残った。

「ココ、少し慎重になった方がいいわ」

エリザベート嬢が忠告する。

「魔法は人々を不安にさせる。もっと段階的に、理解を得ながら使うべきよ」

彼女の言う通りだった。

急ぎすぎた。人々の心の準備ができていないうちに、魔法を見せすぎた。

「これからは、もっと慎重に」

そう決意した矢先、新たな問題が発生した。

「ココ様、大変です!」

メイが慌てて報告してくる。

「王女殿下が倒れられました!」


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