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転生したら白ねこでした。お菓子魔法で異世界の心を癒やします。――もふもふカフェから始まる甘くてやさしい異世界生活――  作者: 明石竜


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第十八章 故郷への帰還

 東の大陸での旅を終え、私たちは元の大陸へ戻ることにした。

「久しぶりに、みんなに会いたい」

「王都のこと、気になってたんじゃないか?」

「ええ。リリアたちはどうしているかしら。学校はうまくいっているかしら」

 蒼の風号には会えなかったが、別の商船が見つかり、無事に出航できた。

 海の旅も、今では慣れたものだ。

 船の上で、私はこれまでの旅を振り返った。

 ベルグランドでの飢饉との戦い。アルトリアでの失われたレシピの復活。サクラノクニでのハナとの出会い。最かわコンテストでの新たな仲間たち。

「随分、遠くまで来たものね」

「でも、まだまだ世界は広いぞ」

 レイが海を見ながら言う。

「南の大陸も、北の極地も、まだ行ってない」

「それは、また今度の話」

 笑い合う。

 一週間の航海を経て、元の大陸の港町に到着した。

 そこから、王都までの旅路。

 見慣れた景色が戻ってくるたびに、心が温かくなる。

「ここが、私の大切な場所」

 王都に入ると、突然、子どもが駆け寄ってきた。

「ココさんだ! 帰ってきた!」

「え?」

「噂で聞いてたよ! ココさん、東の大陸まで行ったって!」

あっという間に人だかりができる。

「おかえりなさい!」

「お菓子を持ってきましたか?」

「新しい味、教えてください!」

温かい歓迎に、目が潤む。

「ただいま戻りました」

もふもふカフェへ急ぐ。

店の前に着くと、リリアが飛び出してきた。

「師匠ーーー!!!」

抱きつかれて、よろめく。

「リリア、大きくなったね」

「もう! 心配したんですから! 一年も連絡なくて!」

「ごめんね。でも、元気にしてた?」

「もちろんです! 師匠がいない間、私が店を守ってましたから!」

リリアの後ろから、グレンとノエルも姿を見せた。

「師匠、お帰りなさい」

「旅はどうでしたか?」

「最高の旅だったわ。いっぱい土産話があるから、後で全部聞かせる」

店の中に入ると、変わらない懐かしい香りが迎えてくれた。

バターの香り、甘い砂糖の匂い、オーブンが温める空気。

「ここが、私の帰る場所」

エリザベート嬢も駆けつけてくれた。

「ココ! よかった、無事で」

「エリザベート嬢、お久しぶりです」

「心配したわよ。でも、あなたらしい旅だったみたいね」

「いろいろ勉強しました。見てください、新しいレシピをたくさん持ち帰りました」

「楽しみにしてるわ」

王女も会いに来てくれた。

「ココ、おかえりなさい」

「殿下、お元気でしたか?」

「ええ、おかげさまで。あなたがいない間も、お菓子文化はどんどん広まっているわ」

「本当ですか?」

「王都だけでなく、地方の町でもお菓子屋が増えた。あなたの弟子たちが各地に散らばっているのよ」

 それを聞いて、胸がいっぱいになった。

「私が始めた一歩が、こんなに広がって……」

「まだまだこれからよ。あなたが帰ってきてくれたから、また新しいことが始まるわ」

夜、みんなでお菓子を食べながら、旅の話をした。

ベルグランドの飢饉が解決したこと、アルトリアに学校を作ったこと、サクラノクニのハナとの出会い、最かわコンテストのこと。

「最かわコンテスト!? それって、かわいさを決めるんですか?」

リリアが目を輝かせる。

「ええ。でも、見た目だけじゃないわ。その人らしい優しさや行動を、みんなで見つけるの」

「師匠は何位だったんですか?」

「総合二位。お菓子部門は一位でした」

「すごい!」

「来年は総合一位を目指します」

 みんなで笑い合う。

 レイも輪に加わり、旅の武勇伝を大げさに語っている。

「大変な旅だったけど、楽しかった。そして、また始まりだ」

 私は窓から夜空を見上げた。

 遠い東の大陸の夜空も、この王都の夜空も、同じ星が輝いている。

 世界は繋がっている。

 お菓子を通して、人々の心も繋がっている。


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