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転生したら白ねこでした。お菓子魔法で異世界の心を癒やします。――もふもふカフェから始まる甘くてやさしい異世界生活――  作者: 明石竜


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第十一章 飢饉との戦い

ベルグランドの飢饉は深刻だった。

作物は育たず、家畜は痩せ細り、人々は飢えている。

「このままでは、冬を越せないだろうな」

レイが暗い表情で言う。

「何とかしないと」

しかし、私一人では限界がある。

「まずは、信頼を得ることが必要ね」

レイの提案で、夜な夜な街の貧民街を訪れることにした。

そこには、飢えた子どもたちがたくさんいた。

「お菓子、食べる?」

最初、子どもたちは警戒していた。しかし、一人が勇気を出して食べると、表情が変わった。

「美味しい!」

「本当だ!」

次々と子どもたちが集まってくる。

「もっとちょうだい!」

「ちょっと待ってね。今作るから」

その場で、簡単なクッキーを作る。

子どもたちの笑顔が、何よりの報酬だった。

しかし、これだけでは根本的な解決にならない。

「飢饉を止めるには、作物を育てる必要がある」

レイが言う。

「でも、土地が痩せていて、何も育たないんだろ?」

「お菓子魔法で、何とかできないかしら」

頭の中の知識を探る。

「あった。土壌活性化のお菓子」

特別な材料が必要だが、この国にもあるはずだ。

レイと共に、材料を探して森や山を探索する。

「これが必要な植物か」

「そうです。これを乾燥させて、粉にして……」

材料を集め、大量の土壌活性化クッキーを作る。

これを土に混ぜると、土が生き返る。

「試してみましょう」

貧民街の近くに、小さな畑があった。そこに、クッキーを砕いて混ぜる。

三日後、驚くべきことが起きた。

枯れていた土地に、緑の芽が出てきたのだ。

「すごい! 本当に効果がある!」

レイが興奮している。

「これを、もっと大規模にやれば……」

しかし、問題がある。材料が足りない。

「大量生産するには、もっと人手と資源が必要」


 その時、思わぬ味方が現れた。

「あなたが、噂のケットシーね」

 声をかけてきたのは、中年の女性だった。上品な服装、落ち着いた雰囲気。

「ワタクシはマルガレータ。この街の商会の会頭よ」

「商会の……?」

「あなたのお菓子、子どもたちから聞いたわ。そして、畑が復活した話も。協力させてもらえないかしら」

「本当ですか!?」

 マルガレータの支援で、大規模な土壌改良プロジェクトが始まった。

 商会のネットワークを使い、材料を集める。多くの職人を雇い、大量のお菓子を生産する。

 そして、国中の畑に、土壌活性化クッキーを配布した。



 一ヶ月後、奇跡が起きた。

 不毛の大地に、緑が戻ってきたのだ。

「信じられない……」

人々は歓喜に沸いた。

「あのケットシーが、国を救った!」

「魔法は悪じゃなかったんだ!」

 噂は王宮にも届いた。

 国王が、私に謁見を求めてきた。

「ケットシーのココよ」

 王は、厳格な顔つきの老人だった。

「お前が、我が国を救ったというのは本当か」

「はい。ただ、お菓子の力を使っただけです」

「魔法ではないか」

「魔法ですが、悪い魔法ではありません。人を救うための、優しい魔法です」


 王は、しばらく沈黙した。

「……認めよう。お前の魔法は、確かに我が国を救った。今後、お菓子魔法は許可する」

「ありがとうございます!」

 こうして、ベルグランドでもお菓子が認められた。

 マルガレータの協力で、現地にもお菓子店が開かれた。

「あなたのおかげよ、ココ」

「いえ、マルガレータさんの協力がなければ、成功しませんでした」

 レイも満足そうだった。

「やるじゃん、ココ。この国、変わったぜ」

「レイさんのおかげです」

「俺は何もしてないよ。お前の力さ」

 彼は照れくさそうに笑った。

 しかし、すべてが丸く収まったわけではない。

「ココ、気をつけろ」

 レイが警告する。

「お前を狙っている奴らがいる」

「誰が?」

「魔法嫌いの過激派だ。お前が魔法で成功したことで、オレたちの信念が崩れた。だから、お前を消そうとしている」

 危険は去っていなかった。

 むしろ、これから始まるのかもしれない。

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