↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/59

15話 アクアの記憶1 第一王子カイル

焚き火の前で眠るアクアは、長い長い夢を見ていた。それはアクアの思い出した記憶の映像だった。



      ◆ ◆ ◆


1年前



「カイル殿下!お下がりください‼︎ここは危険すぎます‼︎」


「…だからだよ!みんなを危険に晒して、どうして僕だけ後ろに隠れていられるって言うんだ‼︎」


「あっ!カイル殿下‼︎おやめくださいっ‼︎戻ってください‼︎あなたのお命は他の者の命とは価値が違うんです‼︎」


「同じだ‼︎君も僕も!ここにいる兵士たちみんな、命の価値は同じだよ!特別なんてない‼︎」


 カイルはそう叫ぶと、次から次へと攻めてくる敵国の部隊に、先頭に立って斬り進んで行く。大きな軍馬を軽やかに操り、馬と風とが一体となって、まるで風神のようにカイルは攻め進んでいた。


 圧倒的な剣技で、相手を地に沈めていく。


 味方にとって、馬の上で銀色の髪が風に靡くその美しさは軍神そのもので、戦いの最中だというのに目を奪われた。


 しかしそれとは反対に、敵側にすればその姿は鬼神そのもの。恐怖に慄いた大群の兵士たちの中には、カイルを前にし、慌てふためいて逃げて行く者もいた。


 それでも、もちろん向かって来る強者も大勢いて…


 カイルは国も国民も味方の兵士たちも守りたい一心で、戦った。


 でもカイルの心の中はずっと葛藤し続けていた。


(なぜこんなことをしているんだ…

どうしてこんなにも人を殺さないといけないんだ…

この人たちにもきっと愛する人や愛してくれる人がいるんだろう…


敵も味方も命は同じだ…

なのに…なんで僕はこんなに殺してるんだ…


いやだ…殺したくない…

でも…みんなを守らないと…


いやだ…いやだ…早く終わってくれ…

一体いつまでこんなことが続くんだ…

一体あと何人殺せば終わるんだ…)


 そう思いながらも、止まることなくがむしゃらに剣を振るい続けるカイルの目から出た涙が、宙に舞った。


その涙が地面に落ちた瞬間……



突如、カイルはどこか違う空間に飛ばされていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。