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14話 謎のバッヂ

パチッパチパチッ


「ふぅ、あったまってきたわね…」


 火を起こしてから暫く経った目の前の焚き火を見つめながら、アイリスは呟いた。

 隣では日が落ちて狼に変身した姿のアクアが丸くなって眠っている。

 

 倒れたアクアを重くて運べなかったアイリスは、アクアが眠っているだけだとわかると、明るいうちに焚き木を集めてきて、火を起こしておいた。


 『森の暮らし方』の本を熟読していた知識が今まさに発揮されていた。


 あっという間に日が暮れて、アクアは眠ったまま狼に変わり、服が脱げたので、自分の服と一緒に焚き火の近くの木に干した。


 その間、さすがに薄い下着だけでは寒いので、眠る狼のアクアに包まり、暖を取らせてもらいながらアイリスも少し休んだ。


(人間に戻った時にはその記憶はほとんどなくなるって言ってたし、別に下着でも大丈夫よね)


 アイリスはそう思って勝手に安心すると、先程拾ったバッヂを手に持ってじっと眺めた。


(この紋章…絶対王家の紋章よね…?

それに王家の紋章の横にもう一つ獅子の模様が彫られている…


確か2人の王子にはそれぞれ決まったシンボルがあったはず。


第一王子が獅子で第ニ王子は鷹だったかしら?

…つまりこれは…カイル王子の物…


…なんであんな川にこれが?


まさか!私を探しに来たの⁉︎

だとしたら…もうあの小屋もバレてるのかしら…?


せっかく山小屋暮らしにも慣れてきたところだったけど、また場所を変えないといけないかもしれないわね…


でも…アクアは狼になっちゃうから、山暮らしで誰にも見つからないこの場所は、一緒に過ごすのに最高の場所だったんだけどな…


はぁ…どうしよう…)


 そう思いながら、アイリスは狼の毛の中に潜り込むようにして温まっていると、焚き火の温かさもあって、いつの間にか寝てしまった…


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