第51話 魔物対策 その8
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それでは、どうぞ!
「え〜~と……、俺が使えるスキルは……。彫刻刀を装備している時に使える戦闘スキル、【彫骨撃】が使えるみたいだな……。お?」
「どう……したの?」
「り、龍哉?」
ステータスプレートに視線を移した龍哉は、自身のスキルの情報を見据えながら目を大きく見開く。
プレートを見据えながら目を丸くする龍哉に、秋と勇綺は、恐る恐る問いただす。おそらく、龍哉が見据えているプレートの情報が気になったのだろう。
「このスキルは、相手が骸骨系の魔物なら、彫刻刀の攻撃に防御無視効果と攻撃対象の腕力・頑丈・敏捷のステータスを減少させる効果が付与されるみたいだ。骸骨系の魔物限定だけど、この弱体化させる効果はかなり使えるぞ! このスキルを上手く使えば、ガイコツを楽に倒せるかもしれねぇ……」
問い掛けられた龍哉は、自身のスキルについて勇綺と秋に説明をする。龍哉の説明によると、骨細工師のスキル、【彫骨撃】は、彫刻刀で攻撃した時、相手が骸骨系の魔物ならば、防御力を無視して高いダメージを与えられるだけじゃなく、腕力・頑丈・敏捷の三つのステータスを減少させる効果を持っているようだ。このスキルの効果を上手く使えば、ステータスや特技が弱体化したガイコツを、戦闘職が不在の勇綺達でも倒す事ができるだろう。
「なるほど……。確かに、そのスキルを使えば、強力なガイコツを簡単に倒せるようになるかもしれないね……。ならば先ずは、僕と秋が、ガイコツの注意を引くから、その隙に龍哉がスキルで、敵のステータスを弱体化させてくれ。弱体化させた後は、秋のリュートと僕の鍬、そして龍哉のスキルで、ガイコツを袋叩きにしよう。これで、ガイコツを倒せるはずだ」
龍哉の説明を聞いた勇綺は、骨細工師のスキルで弱体化させたガイコツを、三人の攻撃で袋叩きにする事を提案する。卑怯くさい戦い方だが、この方法ならば、ステータスが低い勇綺達でも、確実にガイコツを倒す事ができるだろう。
「分かったわ」
「よし、まかせろ。ガイコツは必ず、俺が弱体化させてやるよ」
勇綺が提案したガイコツの対策に、秋と龍哉は、首を縦に振りながら納得する。
「じゃあ、ガイコツの次は、この魔物の対策だ」
「あ、コイツは……」
ガイコツの対策についての話し合いを終えた勇綺と龍哉、そして秋は、次の魔物の情報を集めようと、図鑑に視線を移す。勇綺達がガイコツの次に注目した魔物は、ジャイアントスネイルである。このジャイアントスネイルは、図鑑の情報によると、森や洞窟、山等に棲息しており、種族は水棲系で、体長が百三十センチメートル位の、カタツムリの姿をした怪物だ。スタン系への耐性と水属性攻撃吸収耐性を持っているだけじゃなく、身体に付いている殻は敵の攻撃を弾いてしまう程、高い防御力まで持っており、更に、勇綺達が知っているカタツムリと違って、ジャイアントスネイルはスピードがとても速いので、ダメージを与えるのがかなり難しいようである。防御力と回避能力が優れているジャイアントスネイルは、攻撃も優秀で、高い素早さを利用した強力な【体当り】と透明な液体を吐き出して敵のスピードを低下させる補助技、【ネバネバ液】が得意であり、この二つの厄介な特技で、多くの冒険者達を苦しめているらしい。倒すのが難しいジャイアントスネイルだが、弱点はあり、スタン系以外の状態異常にとても弱く、更に、斬撃・刺突・斧撃・雷・木の五つの属性攻撃や水棲系特効の武器とスキル等による攻撃が、かなり効果的なようだ。
「防御力と回避能力の両方を兼ね備えた魔物か……。なるほど……。こいつは手強そうな魔物だけど……、状態異常が効くのならば、ペブルウォークやガイコツよりは戦いやすい。とりあえず最初は、秋のスキルでジャイアントスネイルを眠らせる。次に、眠っているコイツを、斬撃属性武器や刺突属性武器で弱点をついて攻撃をする。これで、ジャイアントスネイルを何とか倒せるはずだ」
勇綺は、スキルで眠らせたジャイアントスネイルを、斬撃属性武器と刺突属性武器で弱点をついて倒す事を提案する。今の勇綺達の実力で、高い防御力と回避能力を持っているジャイアントスネイルに勝つには、スキルで眠らせた隙に倒す方法しか無いだろう。
「よし、あたしのスキルの出番ね? 任せて!」
「おう、その作戦で良いと思うぜ。コイツとは一度、戦った事があるけど……。カタツムリのくせに、かなり素早かったんだよなぁ……。コイツを放置したら、色々と面倒な事になると思うから、さっさと眠らせて倒すのが最善だな!」
勇綺が提案した対策に、秋と龍哉は、ジャイアントスネイルを眠らせた隙に、弱点をついて倒す事に納得する。
「よし、ジャイアントスネイルの対策は、これで終わりだ。次は、この二体の魔物の対策をしよう!」
「次は、こいつらか……」
「げげ!?」
ジャイアントスネイルの対策についての話し合いを終えた勇綺と龍哉、そして秋は、更に情報を集めようと、図鑑に掲載されている、二体の魔物に視線を移す。
だが秋だけは、二体の魔物に視線を移した瞬間、直様、自身の両目を両手で覆い隠してしまう。何故ならば秋が注目したのは、苦手な虫系の魔物、スパイダーとおおこがねむしだからである。
秋が必死に、両手で自身の両目を隠している最中、勇綺と龍哉が見据える一体目の魔物、スパイダーは、図鑑の情報によると、種族は虫系で、体長が六十センチメートル位の、蜘蛛にそっくりな姿をした怪物のようだ。森や洞窟、無人の建物等に棲息しており、攻撃力と防御力、そしてスピードは高く無いが、口から吐き出す糸は、敵の素早さを低下させる効果を持っている。この魔物の弱点は、斬撃・刺突・打撃・格闘・斧撃・氷の六つの属性攻撃と状態異常攻撃に弱く、更に、虫系特効の武器やアイテム、そして、スキル等がかなり有効なようだ。次に、二体目の魔物、おおこがねむしは、図鑑に掲載されている情報によると、種族は虫系。体長が七十センチメートル位で、緑色の身体には光沢があり、勇綺達が知っている、こがねむしと姿が似ている怪物だ。森に棲息しており、攻撃力は低めで、スピードと防御力は平均的だが、冒険者達のお金を盗んだりするのが得意なようである。この、おおこがねむしの弱点は、打撃・格闘・氷の三つの属性攻撃と状態異常系の攻撃に弱く、更に、虫系特効の武器やアイテム、そして、スキル等で攻撃すると、かなりのダメージを与えられるようだ。
「この、スパイダーとおおこがねむしは、高いステータスや状態異常への耐性を持っていないだけじゃなく、強力な特技とかも持ってはいないみたいだから……、そこまで強力な魔物では無さそうだね……。ならば、秋のスキルで眠らせた後は、攻撃力の高い武器を使って叩くだけで十分かな?」
勇綺は、秋のスキルで眠らせたスパイダーとおおこがねむしを、攻撃力の高い武器を使った力押しで倒す事を提案する。この二体の虫系の魔物は、ステータスが高く無いだけじゃなく、状態異常への耐性や強力な特技を持っていないので、スキルを使って眠らせた後は、攻撃力の高い武器による力押しだけで問題無く倒せるだろう。
「ガイコツやカタツムリよりは、楽そうだな。よし、その作戦でいこうぜ!」
「うう……、こいつらを頑張って、何とか眠らせるけど……。ちゃんと、あたしを守ってよね……?」
勇綺が提案したスパイダーとおおこがねむしの対策に、龍哉は、やる気に満ちた表情で承諾する。
やる気に満ちた龍哉とは対照的に、虫が苦手な秋は、勇綺の提案を、しぶしぶながらも納得するのであった。
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