第36話 スキルストーン
最新話です!
今回は、便利なアイテムについての説明です。
それでは、どうぞ!
「そんな……」
「くっ……」
「はぁ……、マジかよ……。糞が……。ビビってる場合じゃねぇだろぉが……。とんでもねぇ腰抜け共だなぁ……。全く……」
他の園芸師の人達がイッカクに恐れて、こちらに協力してくれない事をバニラから聞かされて、秋と勇綺は落胆の表情を浮かべる。
龍哉は、イッカク退治に協力をしない園芸師の人達に、ため息を付きながら悪態をつくと……。
「園芸師の【スキルストーン】があればね……」
「「「!?」」」
今まで、バニラの隣のソファーに座って静観していたチョコが、突然ポツリと呟く。
勇綺達は、突然呟いたチョコの方へと視線を移す。
「あの……。スキルストーンって、何ですか?」
勇綺はチョコに、スキルストーンについて問い掛ける。
「え〜〜と……、これです!」
問い掛けられたチョコは、スカートについているポケットの中から、五百円硬貨と同じくらいの大きさの円形の透明な水色の石を取り出すと、それを勇綺達に見せるようにテーブルの上に置く。テーブルの上に置かれた透明な水色の石には、数字の五十四と刻まれていた。
「えっとですね……。スキルストーンは、職業のスキルが内包されている石なんです。その石をステータスプレートに、はめ込めば、他の職業のスキルが使えるようになるんですよ。例えばですけど、生産職の龍哉様が、戦闘職のスキルストーンをステータスプレートにはめ込めば、戦闘職と同じスキルが使えるようになります。後、戦闘職のスキルストーン以外にも、専門職のスキルストーンや生産職のスキルストーン、そして採取職のスキルストーンなどもあります」
透明な水色の石をテーブルの上に置いたにチョコは、スキルストーンについて、勇綺達に説明をする。
「そんな便利なアイテムがあったんだ……」
「まじかよ……。すげぇな……」
「凄いアイテムなのね……。その、スキルストーンって……」
チョコの説明を聞いて勇綺と龍哉そして秋は、テーブルの上に置かれたスキルストーンの力に目を丸くしていた。
「なぁ、バニラのねぇちゃん?」
「ん? 何だい?」
「「「?」」」
チョコからの説明を聞いた後、龍哉は突然、バニラを呼び掛ける。
呼び掛けられたバニラは、龍哉が居る方へと視線を移す。
バニラに続くように、勇綺と秋、そしてチョコは、龍哉が居る方を見据える。
「スキルストーンの中に、多分だけど……。園芸師のスキルストーンもあるはずだよな? だったらさ、他の園芸師を集めるのが難しいなら、園芸師のスキルストーンを集めれば良いんじゃねぇか? 園芸師のスキルストーンがあれば、他の職業が園芸師の代わりになれると思うんだが……」
龍哉は、イッカク退治に協力してくれる園芸師の人達を集めるのに苦労しているバニラに、園芸師のスキルストーンを集める事を提案する。確かに龍哉の提案ならば、わざわざ園芸師の人達を集める必要もなく、園芸師のスキルストーンの力によって、どんな職業でも園芸師の代わりになる事ができるだろう。
だがしかし……。
「残念だけど、それは無理なのよ……。鉄君……」
「何でだよ? 何か問題があるのか?」
バニラは、どこか悔しげな表情を浮かべながら、龍哉の提案を退ける。
龍哉はバニラに、提案を退けた理由について問い掛けると……。
「切り札になる可能性を秘めている、園芸師の三つのスキルは現在、スキルストーンが売られている店では、売り切れている状態なの。攻撃系スキルストーンと攻撃強化系スキルストーンは、戦闘職の人達や貴族達、そして王族達に、特に人気があってね……。そいつらが、攻撃系スキルストーンと攻撃強化系スキルストーンを買い占めちゃうから、スキルストーンが売られている店では、いつもその二つのスキルストーンだけが売り切れている状態なの……。切り札になる三つの園芸師のスキルストーンも、攻撃強化系のスキルストーンだから人気があって、中々手に入りにくいのよ……、」
問い掛けられたバニラは龍哉に、提案を退けた理由について説明をする。
「チッ、マジかよ……。他の人達の分まで、買い占めてんじゃねぇよ……。糞共が……」
「園芸師の人達が協力してくれないだけでもピンチなのに、園芸師のスキルストーンが手に入らないって……。どうすんのよ……。これ……。勝てないじゃん……」
「う、う〜〜ん……」
バニラの説明を聞いて龍哉は、園芸師のスキルストーンを買い占めた、戦闘職の人達や貴族達、そして王族達に、舌打ちをしながら悪態をつく。
秋と勇綺は、園芸師の人達が協力してくれないだけじゃなく、園芸師のスキルストーンも手に入らないこの状況に、頭を悩ませていると……。
「御主人様……。お茶とお菓子をお持ちいたしました……」
勇綺達が頭を悩ませている最中、応接室の扉からコンコンと扉をノックする音が聞こえる。勇綺達は、ノックされた扉の方へと振り向く。
扉の先からは、バニラからの指示で、お茶とお菓子を用意しようと勇綺達から離れたマシロの声が聞こえた。どうやらマシロは、お茶とお菓子を持ってきてくれたようである。
「ゴホッ、ゴホッ……、入りなさい。マシロ……」
バニラは扉の先に居るマシロに、咳き込みながら応接室の中に入るように促す。
バニラの言葉に促されたマシロは、扉を開けると、応接室の中へと足を踏み入れる。
応接室の中に足を踏み入れたマシロは、お茶とお菓子が載せられた銀製のトレイを
持ちながら、茶色の長いテーブルの片側に設置されている、六台の一人掛けのソファーに腰を掛けたバニラ達の方に向かって歩き出す。バニラ達に近づいたマシロは、茶色の長いテーブルの上に、お茶とお菓子を黙々と置いてゆく。
テーブルの上に置かれたお茶とお菓子は、紅茶と、生クリームたっぷり塗られているスポンジケーキの上に、宝石のようなフルーツが乗っかった、フルーツケーキである。
「ありがとう、マシロ。あなたも、ソファーに座りなさい」
「はい……」
お茶とお菓子をテーブルに置いたシロに、バニラは感謝をする。感謝をした後、バニラは、マシロにソファーに座るように指示を出す。
指示を出されたマシロは、バニラの隣のソファーに腰を掛ける。
「うわ〜〜、美味しそう〜〜」
(これは……、紅茶とフルーツケーキか? へぇ〜〜、この世界の飲み物と食い物は、俺達の世界と同じなのか……)
(雪のように白くて、綺麗だなぁ……。それに、可愛い……)
テーブルの上に置かれた紅茶とフルーツケーキに、甘い物が大好きな秋は、目を輝かせていた。
龍哉はテーブルの上に置かれた飲み物と食べ物が、自分達が住んでいた世界と同じ物である事に、興味深そうに見据える。
秋と龍哉がテーブルの紅茶とフルーツケーキを見据えている最中、勇綺は目の前のソファーに腰を掛けたマシロに、またもや心臓をバクバクさせながら見とれていた。
するとマシロは、目の前のソファーに座っている勇綺から視線を向けられている事に気付く。視線が気になったマシロは、こちらを凝視している勇綺に視線を移すと……。
「あっ!?」
「??」
マシロからの視線を、勇綺は慌てふためきながら視線を逸す。
そっぽを向いた勇綺にマシロは、ただ首を傾げるのであった。
感想や評価をお願いします!
※一部の文を修正しました
修正前:テーブルの上に置かれた透明な水色の石には、数字の五十ニと刻まれていた。
修正後:テーブルの上に置かれた透明な水色の石には、数字の五十四と刻まれていた。




