第25話 あばよ!害悪!!
さて、勇綺達は森の魔物達を倒せるのか?
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「助かったよ! ありがとう、秋!」
「はぁ……、良かった……。大丈夫そうで……」
勇綺は、ミドリガマに絞殺されかけたところを、助けてくれた秋に感謝をする。
こちらに笑顔を浮かべて感謝をする勇綺が、無事である事を認識した秋は、ほっと胸を撫で下ろす。
「あ、そうだ! 今のうちに、この魔物を倒さないと……」
「Zzz……」
秋に感謝をした勇綺は、ミドリガマの方を見据える。
ミドリガマは秋のスキルによって、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
「いくぞ……。 はぁっ!!」
勇綺は、眠っているミドリガマに、両手で構えた鍬を降り下ろす。
勇綺が降り下ろした鍬の一撃によって、スヤスヤと眠っていたミドリガマの首は切断される。
「どうだ……、死んでる……か?」
「うぷっ……」
勇綺は敵の生死を確認しようと、首が切断されたミドリガマの身体を鍬で突っつく。
勇綺がミドリガマの身体を鍬で突っついている最中、秋はまたもや体調を崩してしまう。
「良かった……、死んでる……。ふぅ……、何とか勝った……」
ミドリガマの生死を確認し終わった勇綺は、ほっと胸を撫で下ろす。
「よしっ! 秋! 龍哉の加勢に行こう!」
勇綺は秋がいる方へと振り向く。そして、秋を呼び掛けようとするが……。
「うぅぅ……」
「あ、秋!? だ、大丈夫!?」
勇綺に呼び掛けられた秋は、両手で口を押さえながら、その場に座り込んでいた。
勇綺は慌てながらも、体調を崩した秋の方へと駆け寄る。
「はぁ……、はぁ……、もう、だ、大丈夫……。魔物の死体を見て、ちょっと気分が悪くなっただけだから……。それよりもはやく、龍哉を助けに行かないと……」
「大丈夫なら良いんだけど……。でも、無理だけはしないでね?」
秋は、こちらを気遣おうとする勇綺に、体調の方は問題無い事を伝える。そして勇綺に、龍哉の加勢に向かうように促そうとする秋は、その場から立ち上がると、重い足取りで歩き出す。
勇綺は心配しながらも、龍哉の加勢に向かおうとする秋の後をついて行く。
「さて……、どちらから先に倒すか……」
龍哉は気絶している二体の魔物、ブルームースとおおなめこを見据えていた。
「やっぱ溶解液を吹き出してくる、骸骨スライムから倒すか……」
龍哉は、気絶しているブルームースに狙いを定めて、右手に逆手で持った彫刻刀を降り下ろす。
すると……。
「!」
「何っ!?」
気絶していたはずのブルームースが突然、龍哉に目掛けて身体から溶解液を勢いよく吹き出す。
龍哉は、ブルームースの不意打ちによる溶解液攻撃を、バックステップで回避する。
回避された溶解液は地面に付着。そして、煙を上げながら、液体が付着した地面を溶かしてゆく。
「あ、あぶねぇ……。この野郎……。骸骨スライムの癖に、気絶したふりをしていたのかよ……」
ギリギリのところで溶解液をかわした龍哉は、心臓をバクバクさせながら、ブルームースを睨み付ける。
(しかし……、どうやってこいつを倒す? 溶解液のせいで近付く事が出来ねぇし……。また意表を付いて、ぶん投げてみるか? いや、こいつは気絶したふりをして、俺を油断させるような知恵を持っている。同じ手は通用しない……。もし投げようとしたら、溶解液の餌食になっちまうだろうな……。う〜〜ん……)
龍哉は、ブルームースをどうやって倒すか、頭の中で思案していると……。
「!」
「!? うおっと! てめぇっ! 今、こっちは、てめぇを倒す方法を考えている最中なんだから、少しは大人しく待ってろよ!!」
ブルームースは、思案している最中の龍哉に目掛けて、容赦なく身体から溶解液を吹き出した。
龍哉は右の方へと横に跳んで溶解液をかわすと、こちらに攻撃をしてきたブルームースに理不尽な文句を言い出す。
(糞っ! 溶解液のスピードはそんなに、速くねぇんだけど、近付かないと彫刻刀で攻撃が出来ない俺にとって、やっぱ溶解液は厄介だ……。いくら溶解液のスピードが遅くても、近くで戦い続けていたら、いずれは回避しきれなくて、溶解液の餌食になっちまう……。離れた状態で攻撃さえできれば、溶解液なんか恐くねぇんだがなぁ……。んっ? 離れた状態で攻撃……? あっ! そうだ! アレがあった! アレなら離れた状態で攻撃ができる!!)
ブルームースの溶解液攻撃に頭を抱えていた龍哉は、離れた状態で攻撃する方法を思い付く。
「この、スリングショットならば、離れた状態で攻撃が出来る!」
龍哉は急いでマジックポーチの中から、スリングショットを取り出す。
「この辺りで良いかな?」
「?」
ブルームースから二メートル程離れた位置に立っていた龍哉は、其処から更に五メートル程距離を空ける。
ブルームースは、こちらから距離を空けようとする龍哉の行動を、いぶかしみながら見据えていた。
「弾は、こいつで良いかな?」
ブルームースから距離を空けた龍哉は、足下の回りに落ちている小石を四つ程、右手で拾い上げる。龍哉は直ぐ様、左手に握られたスリングショットの弾受け部分に、拾った小石を一つ包む。小石が包まれた弾受け部分を、龍哉は右手の人差し指と親指でガッチリと挟んだ。
「喰らえ! オラァッ!!」
「!!?」
龍哉は、約九十度程傾けたスリングショットを握った左手を、ブルームースがいる前方へ力一杯伸ばす。次に、弾受け部分を人差し指と親指で挟んだ右手は、右肩のあたりまで引っ張って行く。
スリングショットを撃つ準備が出来た龍哉は、ブルームースに目掛けて、弾受け部分に挟んだ小石を放った。
放たれた小石は、ブルームースに直撃。小石が命中した事で、ブルームースは、身体をプルプルと揺らしながら後方へと退いた。
「!!」
攻撃を受けたブルームースは反撃しようと、龍哉に目掛けて身体から溶解液を吹き出そうとするが……。
「溶解液なんて出させるかよ! 骸骨スライム!!」
「!!?」
龍哉は、ブルームースが溶解液を吹き出す前に、スリングショットで小石を放つ。放たれた小石は、ブルームースに直撃。
ブルームースの反撃は、龍哉が放った小石によって妨害されてしまう。
「遠距離から攻撃さえ出来れば、てめぇの溶解液にビクビクせずに安心して攻撃が出来るぜ! ほらよ! もう一発!!」
「!!」
ブルームースの反撃を妨害した龍哉は、続けてスリングショットで小石を放つ。
龍哉が続けて放った小石に、ブルームースは防御も出来ずに直撃してしまう。小石が命中した事でブルームースは、身体をプルプルと揺らしながら後ずさる。
「こいつで、止めだ! あばよ! 害悪!!」
「!!!」
龍哉はブルームースに狙いをつけて、残りの小石をスリングショットで放つ。
龍哉が放った最後の小石は、ブルームースの身体を貫く。
すると、小石が貫通したブルームースの身体は、液状にドロドロと溶けて行くと、その場で水溜まりが出来上がる。水溜まりが出来上がった場所には、ブルームースの身体の中に入っていた、人間の頭蓋骨が転がっていた。
「はぁ……、何とか倒した……。てこずらせやがって……。糞が……」
龍哉は、水溜まりの上に転がっている頭蓋骨を見据えながら、悪態をついていた。
スライム系の魔物、ちょっと強くし過ぎた……かな?
まぁ……、いっか。
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