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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
32/44

裏側

~BS某拠点~

《関西国際空港の一件を機に、日本ではEUN派の団体が次々と排除されています。日本の中京地区から全国へ勢力拡大させた、ホープの今後の動向について世界各国から注目を集めています》


「へえ……たった数人からもうこんなに大グループにまで成長するなんてやるなジェームズ……な?明ちゃん?」

「そうやな」

「小さな組織からやがて世界を代表するような組織になる……まるでアニメのようですね!明ちゃん!」

「そーだね」

「しかし不可解だなヘンリーの奴……。裏切者なんてサッサと排除したらよかったのに、なんであの時に撤退命令……しかも雑魚い連中の相手なんか……」

「そうなんだよね」

「「「……明ちゃん、人の話聞いてる?」」」

「……」スゥ~……

「「「………」」」


 一人の女性がソファに寝転がっている少年に近づく


「人の話聞いてないだろ。ヘッドホンとれ、マスクとれ、アイマスクもとれ!」

「イタタタタ!アホ毛引っ張んなって!もうはいはいなになに!?」

「人の話を聞けと言っている!」

「ちゃんと返事したやん!」

「嘘つけ!返事するときもそうだねって適当に言ってただろう」

「そうだねだけじゃなく、そーだねとか、そうですよとかちゃんと……イテテテテ!」

「そういう問題じゃないだろ!アホ毛引っこ抜くぞ!」

「やめて!それだけは取れないから!」


 二人のやり取りに、残る二人は笑っている。


「ヘンリーの奴が何を考えているかはわからんが、あの場合は仕方が無かったろ。モスクワ近辺とかイギリスとか、BSグループ苦戦していたしな」

「あんな連中、Eさんとかイヴォンあたりに任せておけばよかったのに……結局、たいしたことなかったじゃん」

「だってよEさん。お前がもう少し頼もしかったらな……」

「…………」

「あ……れ?髪伸ばした?」

「……私はナディアだ!髪なんて急に伸びるか!」

「ヅラって可能性も」

「カツラなんて被るか!」

「ふしぎのうm――」

「アニメオタクは黙ってろ!」

「分かるぞ同志よ!ナディアといえb――」

「何が同志だこの馬鹿!……はあ、妹だけでも手を焼いているというのに、馬鹿どもが多すぎて頭が痛い」

「病院へ診てもらえば?」

「その前にお前らから診てもらえ!」

「頭痛にバフ○リン♪」

「明ちゃん……いったん殺していい?」

「それはだめでーっす……。…てなんでこれ知ってんの?まあいいや。で、えっと、何の話してたんだっけ……?」

「お前のせいで話が変なところに……。ところでホープと戦ってみてどうだった」

「楽しかった」

「真面目に答えろ!」ドゴオオオン!

「イテテ……机の角に当てないで下さいよ。痛いじゃないですか……。ほらこんなに頭から血が……」

「幻覚だろ、大げさな。仮に血みどろでも自業自得だ」

「まあ、そうですね。面白いやつが入ってきたと思う」

「面白いやつ?」

「実力はソニアっちと同等、これからも成長が見込める将来有望な新人君です……」

「へえ、あのソニアちゃんと同等なんですね!」

「そいつが急成長し、部隊を二つに分けることができた。俺が見たところ、まだ荒いところはあったが、部隊の隊長格にも任せられることもあったことからもはや柱の一つになっているんだろう」

「お前が以前言っていた奴か。僅か短期間でもうそこまで成長したのか……」

「で、俺が思うに、あいつは“フォース”だと思う」

「何故そう思う?」

「近接戦闘に慣れてないのか……なんか躊躇した感じに突っ込んでいったような……。多分冷や汗だらだらだと思うぜ?優等生びびりんとかそうやったろ?けど、そこからの動きが覚醒気味だった」

「ヒュー!さすがの観察眼。明ちゃんってもしかして……NINJA!?」

「伊賀も甲賀も、縁もゆかりもありません。ていうか、外人って忍者ほんとに好きだな。なんでここまで有名になったんだ?」


*********

~EUN河北軍事拠点~

「あんな小さな組織からここまで大きくなるとはな……」

「極東支部とBSがショボかったからだろ?な?ミランダ嬢?」

「………」

「西洋のミランダ、東洋の雷卓レイ・ジュオと呼ばれた、あれはもう昔の話だったか」

『ミ、ミランダ様の悪口はおやめください!』

「あ~ん?なんだガキが……奴隷の分際で俺たちに楯突くつもりか!」ドゴォ!

「やめないか!私の奴隷だぞ!!!」


 男が机を蹴り、椅子を少年に向けて投げたが、ミランダが椅子を蹴り、壁に当たった。怒鳴られた少年は腰を抜かしてしまっている。


「おいおいミランダちゃんよぉ~。奴隷をかばうって正気か?」

「正気に決まっているだろう!怪我でもされて奉仕活動に支障が出てもらってはかなわん!」

「ミランダさん、落ちぶれたあなたはもうこれからの出番が減っていくだけですよ。今のうちに今後のキャリアのことを考えてみてはいかがですか?」

「今のあんたはただ機体性能に頼っているだけだしな。実は無能であることがあの一件でばれたな!ははははは!」


 男たちは笑いながら部屋を出て行った。


「大丈夫か?」

『は、はい……ミランダ様。こんな僕を助けていただいて……』

「気持ちはわからんではないが、お前は奴隷だ。あの連中に口答えしたらどう返ってくるか、わかっているだろう」

『で…ですが』

「私は気にしていない。勝手に言わせておけばいいのだ、ああいうやつらは。確かに私にも油断があったのかもしれん。あの時……紫の坊やが、奴に倒されたということを頭に入れておくべきだった」

『………』

「心配するな。所詮、あの連中では力不足だ。戦争は情報戦。奴の腕前すら把握していない連中が、BSどころかホープすら倒せるはずがない。……私は奴にリベンジしたい。私がやられたのはあれで4回目だ。次はそう簡単にやられはしないさ」

『ミランダ様……』


*********

~円卓騎士団本部拠点「キャメロット」~

「新たな第3勢力の台頭か……。これでまた風向きが変わるのかね?自称アーサー王」

「フム、実に面白いことになったな。あとねラインハルト君…いちいち自称なんていらないよ」

「じゃあ神話・伝説オタクと呼べばいいのか?」イライラ

「オタクではない!余は正真正銘のアーサー・ペンドラゴンである」

「嘘つけ!嘘つくんならもっとマシな嘘をつけよ!」

「仕方ない。こいつの正体はクラゲの魔物だという噂があるぐらい、頭がおかしいし」

「はあああ……ヴィヴィアン君!君はいったい何を言っているのかね?」

「正体がクラゲって本当ですか……?」

「ただのデマである!」

『そういえばヴィヴィアンだって円卓騎士団ごっこやってんでしょ?でもやるんだったらこう、もっと、湖の――』

「ヴィヴィアンは私の本名、たまたまだ………」

『紛らわしいよ。なんでこんな騎士団に入ってんの?』

「こんな……とは何だねハラウェ君」

「こいつに半強制的に入れられたのよ……」

ホープこいつらって次は北京に行くのかな?」

「日本は北京に近いですし、EUNとBSが戦争を始めれば、つけ入る隙を狙っていくでしょう」

「最悪の場合、ホープが一人勝ちするのかもな」

「隙をついたって、そううまくいくもんかね?」

『案外行くんじゃない?EUNや四大組織の動きバラバラだよ?BSはEUNほどバラバラじゃないし、いずれにせよ、EUNの敗色濃厚だと思うけど?』

「以前、ブラックローズが中東支部を実質、壊滅させたこともありましたね。中東はあれから無法地帯……それに石油や魔油といった豊富な資源を手に入れることができました」

「そこまで金と権威を手に入れたいのかあの馬鹿どもは……」

「うむ。連中は金と権威しか興味がなく、時によっては味方ですら背後から手にかける、保身に全力疾走の寄生虫のような連中が多い」

「ある意味こういうやつらがBS共より立ち悪いよね……。こんな奴らと私たちが同じ扱いだなんて、気に食わない」

「中東ではBSが工作を行っているという噂がありますが、いかがいたしましょう?」

「ブラックローズは少々目障りだよ。連中が知っているのかはともかく、我々から手を差し伸べる必要はないだろう」

「そうですね」



*********

~ロシア連邦モスクワ「某大通」~

「ホープ……」

「ホープが気になるのか?確かにすごいよな。BSとEUNに挟まれてたのに、統一させるなんてな」

「北京の戦争で世界の流れが変わるのだろうか」

「さあな。でも、中国を取られたら、EUNは厳しくなるんだろう。現状で苦戦しているしな」

「そうだな……」

(ホープか。今はまだ様子見だな……)



*********

~???~

『御覧の通り、吉川天は想定以上に成長しており、EUNやBSとしては無視できない存在になりつつあります』

「日本を解放させたホープの戦力の柱となったわけか……。予定はどうやらこちらの想定以上に進んでいるようだ。世界的な狂気を破壊するためにはまだ半分の怨気が必要ではあるが、北京で衝突してから、我が計画は急速に進むであろう」

『ところで一つ気になる点が……』

「フム……申せ」

『彼はある日を境に操縦技術はもとより、そのほかの様々なデータが急速に伸びています。その要因として、天を追跡したところ、何やら真神器のようなものが天の中に吸い込まれていくようなところを目撃しました。あれはいったい何だったのでしょう?』

「この映像から見ても間違いなく真神器であろう。ところでRよ。この逸話を知っておるか?【勇者アルスの神話】の最終章を」

『最終章……でございますか?』

「討伐された堕ち神が三つに割れ、それぞれが形を変え、閉ざされた遺跡に封印された」

『まさか……あれがかつての堕ち神の一部であると……?』

「堕ち神は絶対的な領域を持ち、絶大な破壊力で国を滅ぼし、その驚異的な魔力を生み出す心臓で力を蓄える。肉体を失った堕ち神の魂はどこかへ消えていった。少なくともエルメルの神器には宿っていない」

『では、堕ち神の魂は天が取り込んだ神器に宿っている可能性があると……?』

「そこまではわからんが……。いずれにせよ、あれが堕ち神の一部であったことは間違いないだろう。閉ざされた遺跡には、特殊な紋様が描かれていた。あれは心臓なのだろう。だが、その力は長年の時を超えて大部分が失われつつあるようだ」

『では、破壊の神器はどこに……』

「それはお前たちで探せ。その神器を手にすることができれば、エルメルのバリアを破壊できる代物だ。BSもしくはホープ……どちらでもエルメルに侵攻できれば、我が計画の最終段階へ移行する。……それと、もし堕ち神が吉川天に宿っていたならば、そなたの行動は把握されている可能性もある。慎重に行動せよ」

はい、我が主(イエス、マイマスター)

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