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現代神話のエルカヴァリア  作者: 白卯兎 健太
日本編
20/44

偏向報道

『今日午前8時過ぎ、京都駅の通勤通学ラッシュ時間帯に無差別テロ事件が発生しました。テロリストは乗務員や乗客らを無差別に襲い掛かり、およそ3000人の死傷者が出たということです。EUN極東アジア日本支部によると、犯行グループは、ブルースカイ系列が深く関わっており、山崎純一支部長は、「一般市民がテロの標的にされている。我々は、全力をもってテロをせん滅する」とコメントを残しています』


「京都駅でテロか……」

『物騒ね……』


 俺たちはプロジェクターを見てため息をついた。ちなみにこれは、西日本エリアで放送されている“テレビ難波”の放送内容。東海、東日本エリアで放送されているテレビの内容と中身が明らかに違う。これが所謂、偏向報道というやつか……。


『なんで……罪のない人たちを……ブルースカイやホープの人たちは血も涙もない人達なのか……すごく残念です……』

『あああ……。許せない……。私たちの……娘を……返して……ほしいです……うう……』

『札幌といい、なんであの人たちは……!いったい何人、人を殺せば気が済むのか……人として……非常に憤りを感じていますよ!!!』


「ちょっと待てよ!なんで俺たちが一般市民を殺したことになってんだよ!?EUNお得意の自作自演だろ!?」

「テレビ難波(なにわ)や、新日本新聞をはじめとした、ああいう西日本エリアのマスコミはすべてEUNの息がかかっているからね……」

「フリコメとかもなかなかひどいぞ………」


『あいつら人間じゃねーし、ほんと基地外しかおらん。さっさとくたばれテロリスト』

『何の罪もない一般市民をこうして無残に殺される……。ご冥福をお祈りします。』

『これも全部宇宙人谷塚と反日平民党どものせいや!はよあの犯罪者どもをさっさと死刑執行しろ!日本の末代までの恥さらし!』

『明日は我が身……てことにならないよね……恐ろしいわ』

『はやくBSホープを血祭りにあげて、東日本の人々を助けよう』


「……まあ、フリコメ民は所詮このレベルだよな……」

「これほどの偏向報道でこの違い……面白いな!」

「しかしこうなってくると本当に厄介だな……。西日本市民、完全に洗脳されてる」

「今後の作戦に影響するでしょうね」


 遺跡の再調査を行った後に、これから西日本をEUNの支配から奪還するというときにこれとは……運が悪い……というより俺たちに対するけん制だろう。

 何の罪もない一般市民を虐殺しといて?連中がこれほどの外道っぷりはさすがにうざすぎる。

 その後、テレビの“対テロリスト戦術評論家”なる人物は……


『ブルースカイなどはEUNに挑発をかけるために、なるべく多くの市民を虐殺するように、一般人に紛れ込んだ工作員を送りこんだと思われます』


「そもそも私たちが仮に一般市民を虐殺するとしたら、わざわざこのようなみみっちい真似をするはずがない。挑発するならもっとましな手段をとるし、なるべく多くの人間を殺すのなら、禁忌をのぞいたら、自爆テロや転移符を持たせて化学兵器テロで足をつかれないようにする」

「所詮は三流の評論家ね~」

「三流って言うか、一般の人間が戦術に関して何も知らないんだから大丈夫だろう」

『そうか!こんな適当な解説を言っても、洗脳された西日本の市民が対象だから誠に受けるんだ』

「まあ胡散臭いと思うのはほんの一部の人間だけ……SNSに投稿しても、EUNならそれが広まる前に消して、投稿者を抹殺すると思う………」

「『抹殺すんの!?こわ!!!』」

「抹殺は言いすぎだろ!拘置所送りするだけ……ああ、抹殺で正解か」

「拘置所送りってまさか……」


 どうやら西日本エリアはEUNに支配されているせいで、北〇鮮状態になってしまっているようだ。言論の自由とかもないんだろう。西日本の人はそれでいいのか……?


「ところで気になる点が一つあるのですが、これを……」


 ソフィアさんが、動画のとあるシーンで停止させる。これはテロリストの顔写真だ。


「どうしたの~」

「何か違和感を感じられませんか?」

「違和感?」

「こんなやつ、ブルースカイにいたっけか?」

「もしいたとしたら新入りだろうが、EUNの者ではないのか………?」

「もしEUNなら……しかし自作自演のために殺されるとは……」

「ん?」

「どした?セシル」

「目が死んでいるように見える……これは?」

「目……?」


 テロリストの目を見ると、確かに目が死んでいるようにも見える……。なんて言うか、目から光が消えたような感じ……。生気が一切感じられない。


「もしかして洗脳されているとか………はないか………」

「う~んどうだろう……」

「超古代魔法か、真神器によるものか……EUNが隠している可能性もあるからどうにも判断しづらいな……」

『いや洗脳でしょ。じゃなきゃ、わざわざ殺されるために作戦なんか行わないと思うけど?』

「現実に絶望した自殺志願者なら喜んでやるだろうな!」

「なんだよそれ……てか、そんな奴いんの?」

「クスリで頭が逝った可能性………」

「いかにもEUNが大好きそうな手段だね~」

「ま、いずれにしろ、あのテロリストどもは何か状態異常に陥っていることは確かだろう」


 状態異常なんて久しぶりに聞いた気がする……。


「しかし本当にあいつらはマジでなんなんだ?やることがいちいちエグいし、ほんとに聞けば聞くほど、知れば知るほど早く解体したくなる組織だな!」

「しかし、西日本市民は根っこからEUNとマスゴミによって洗脳されてしまっている……こりゃあ、仮に日本から追い出しても市民から卵とか投げつけられそうで怖いわ……」

「卵ならまだかわいいが、銃やロケットランチャー、手りゅう弾とかも一般人が持てるようになっているしな………」

「え!?なにそれ!?どこのヤクザなんだよ!?」

「朝鮮から関空福岡に入ってくるらしいわよ~?」


 なるほど……要するにそこを抑えれば、どうにかなるということですな。


「西日本についての問題はまた後にして、富山の遺跡に関してまだ完全に調査できていない。近いうちに再調査を行う予定だ。各員ともに準備は万全の状態にしておけよ」


 そういって、リーダーとソフィアさんが部屋から出て行った。


「しっかしまた富山かぁ~」

「富山って何が有名なの~?」

「う~ん……北陸は住みやすいって有名だけど、そういえば何が有名かなんて知らないな……。てか俺異世界人だし、ここの富山がどのような場所か全然わかんないし」

「まだ日本エリアもいろいろ問題があるし、観光はそれらが片付いてからだね」

『今のうちにさっさと調査しないとまたBSとかEUNが来るかもしれないからね』

「前回みたいに猛吹雪とかないよな………」

『猛吹雪は嫌ね……』


 ありゃ……珍しくレオンの呟きにイヴリーンが同意している。そんなことはどうでもいいか。確かに猛吹雪は嫌だ。あんな視界の悪いところで戦いたくはない。相手も同じ状況とはいえ……。

 だがせっかくの真神器を敵側が入手されるのは非常に痛い。あれを悪用されないように、あの遺跡は完全に調べ上げる必要がある。BSもEUNも狙っていそうだしな。

 そう思いながら俺たちは、機体整備やマナ等の調節に入る。








*********

~イヴペディア~

*一般のテレビでは、西日本エリアから東海・東日本のエリアの放送は一切見ることができない。またその逆も同じだが、軍部などでは、スパイから得た情報からテレビの放送を見ることができる。

*洗脳符を駆けられた時、目は赤く光る。相手を洗脳できる手段は今のところ洗脳符のみ。

*のちに分かったことだが、現時点では西日本市民が自由権等を弾圧されていることに気づいていない。仮に気づいても、秘密警察等がすぐに逮捕し、拘置所送りにする。

*拘置所送り・・・リアルと同じように、未決囚や死刑囚等を収監する場所。秘密警察等にとって拘置所送りにされた人間は、裁判なしに死刑囚となる。ただ、真夜中になると、黒い車が頻繁に出入りしている様子が確認されており、裏では何かやばいものとつながっているという黒いうわさもある。

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