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ひまつぶし  作者: ずみ
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魔物肉と果物ですごしている…何日目?



街に向かって歩いていく。

昨日はミヤコが先に帰ってきて、寝ているのを見られて怒られた。

その後でナナゴが戻って来てしょんぼりしている俺を甘やかしてくれた。

そこからみんなでごはん、片付け、準備、等をしてなんやかんやで今に至る。


「しっかし魔物だらけだなぁ」

「変ですね。この辺りではこんなに出ないはずなのですが」

「ここってナナゴの来たことないところなのよね?魔物の出現頻度とかわかるの?」

「来たことは無いのですが、スリーがある所が前線からは街2、3個分離れていると聞いています。人の領域の中のはずです」

「あー。俺さ、前線がよく分かってないんだけど魔物の軍隊とかがあって攻めてきてるの?」

「説明してなかったかしら?そうね、前線ってーーー」


人の領域の認識を簡単に言うと、複数の拠点とそれらを繋ぐ道の内側だ。

増やす時は魔物の領域の中に拠点を作り、そこまでの道を通す。

そのままだと囲んだ中にも魔物が居るので、ある程度の期間をかけて狩らないといけないそうだ。

その後も道を横切り移動してくる魔物が居るので、定期的に見回りをするらしい。

それを行なっても全てを排除することは出来ないが、強力な個体や手に負えないような集団にならなければいいらしい。

そして、その競り合っている地域を前線と呼んでいるそうだ。


「結構な手間だなぁ」

「そうよね。でもね、後ろに魔物の脅威がある状態で前進すると背中から崩されちゃうと思うのよ」

「孤立はとても恐いですから」

「…今までの俺らは?」

「全方位食料です」

「わたしとしても魔物の数は多かったと思うわよ」

「全て食べ物です」

「孤立が恐いんじゃ…」

「美味しいものに囲まれてました」

「いいんだけどさ…」


雰囲気よく移動をしていく。

話し声や歩く時の音に気を使っていないので、どんどんと魔物が寄ってくる。


「んー。前から思ってたんだけど…こんなに音を立てて歩くのが一般的なの?」

「違うと思うわよ。先に見つけた方が有利になるでしょ?だから、ひっそりと移動するのよ。たぶん」

「そうです。出来るだけ奇襲だけで倒したいので、静かに移動するのが基本ですね」

「そうなるよね。態々攻撃を受けるリスクを取る必要ないもんね。だとすると…今は?」

「空腹はつらいです」

「あの、静かにするっていう話題のはず」

「静かにすると魔物って言う食料が近づいて来てくれないってことなのよ。おそらく」

「ミヤコの言っていることが合っています。私とミヤコの2人なら魔物に気取られる前に見つけていますし、最悪手に負えないよう相手でもタロー様が対応出来そうなのでお腹を満たすことを優先します」

「俺は2人が倒せないのを仕留める自信がないよ」

「囲いを作るだけで十分です」

「あー、だから対応ってことね」

「そう言えば今まで物理しか防いだことなかったわよね。…魔法はどうなのかしら?」

「…考えても仕方のないこともあるのです」

「そうかも知れないけど、対魔法のことがそれなのかぁ」

「駄目でしょうか…」

「なんとかなるわよ。きっと」

「そうだな。危なくなったら全力で逃げ一択でなんとかなるだろ」

「はい!常に逃げ道を探しておきます」


草木を掻き分けて進むこと数日。

まだ人の居る痕跡はない。


「おかしいです」

「どうしたのよ?」

「もう着いていてもいいくらいの距離は移動しています」

「あの…言うか迷っていたんだけどね、わたし達前線付近くらいまでは来てるわよ」

「そんなはずはありません。私、迷ったことないので」

「でもね、魔物の出現頻度が異常なのよ」

「まさか…人の領域が後退したのでしょうか」

「後退ってよりは、わたし達が外れたって言ったほうがいい気がするの」

「?、どういうことですか?」

「あの拠点にしてた所まで道をいくつか横切ったわよね?その後で道を見てないのよ。人の居るところにしか道は出来ないから、今居るところは…」

「大きめの獣道とかできることはない?身体の大きな魔物とかさ」

「けものみちとは何でしょうか?」

「動物とかが何度も通るから草とかが生えて来なくて道になっちゃってるところよ。こっちでは見たことないわね。通る所を決めると待ち伏せされちゃうからじゃないかしら?それに、領域を縁取る道は物資の輸送もするからそこそこ立派よ」

「そっか。じゃあ迷子か」

「…すみません。私の知っている所なら迷わないのですが」

「ふふっ。何も気にすることないわよ。そもそもが必ず人の居る所に行かなくちゃならない訳じゃないし」

「そうだよなぁ。時間の制限も無いしのんびり行けばいいんだし」

「そうですね。お詫びとして今日のお肉の切り出しは私がおこないます」

「おー、ありがとう」

「手が空いた人がするからいつもと変わんないわね」

「そうかも知れませんね」


木に囲まれて進む生活がもう少し続きそうだ。

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