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『しーちゃんと記憶の図書館』第177話

絵からはじまる物語



テーブルの上に並べられたスケッチブック。

ページをめくるたび、子どもたちの目が輝いていく。



花のような帽子をかぶった小鳥。

星の階段を登っていく猫。

海の底でランプを灯す女の子。



「この絵に、言葉をつけてもいい?」

ひとりの女の子が遠慮がちに聞いた。



女性は少し驚いた表情で笑った。

「もちろん。絵は、物語を待っているのかもしれないわね」



こうして、図書館の小さな机で即席の“物語づくり”が始まった。

子どもたちが順番に絵を選び、短いお話を紡いでいく。



笑い声と鉛筆の音が、部屋にやさしく響く。

スケッチブックは、もう過去のものではなくなっていた。



ページの端には、今日の日付と小さなサイン。

それは絵と物語が一緒に歩きはじめた証だった。


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