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最終話(後)転生、そして自作一族の未来へ

 俺は神様に二つのご褒美が貰えた。

 その1つは……


 あぁ……よく寝た。

 昨日は何してたっけ。

 確か歴史シミュレーションゲームで――


 あれ? ゲームをしてたような気がするけど、

 肝心のゲームが思い出せないな。

 うーん? やばいな、疲れてるのか?


 まあいっか。思い出せないなら大したことじゃないのだろう。


 背筋を伸ばしてからスマホの日付を見ると、

 え……?! 自分の感覚から一週間たってる?


 うわ……着信履歴がやばいことになってる。

 バイト先、大学の友達、迷惑電話。


 慌ててSNSで生存報告をした後、

 一人ずつかけ返したり、メッセージを送った。


 すると既読が付いたと思った途端、

 女友達から涙声で怒鳴られた。


「何してたの!

 みんな心配してたんだけど!

 警察に連絡した方がいいんじゃないかって話にもなって……

 それで、何してたの?」


「……多分、ゲームしてた。覚えてないけど。」


「はあああああああ? ゲーム?!

 ……今度あんたの奢りで寿司だから。高級なやつ」


「ええええ!」


「心配かけたお詫びよ! この馬鹿!」


「はー……わかったよ。でも高級は勘弁してくれ。」


「はいはい、冗談よ。割り勘でいいから。」


「助かる。それじゃまたな」


 でもそっか……この世界でも俺を心配してくれる人がいるんだな……


 ……ん? この世界?


 まあいっか。


 ちゃんと現代に“も”戻ってよかった。

 孤独だから自分が居なくなっても

 気にする奴なんていない、なんてことなかった。


 うん? 空耳か?


「あー、バイトもクビになってたしなぁ……

 新しい仕事探さないと……とりあえずコンビニでも行くか」


 俺は、何も映っていないテレビの電源を落とした。


-------------------------------------------------------


 そしてもう1つは……


「龍輝……! 龍輝、起きなさい!」


 ……んだよ、朝からうるさいな。昨日はキャラクリで疲れたんだよ……。


 意識がはっきりした瞬間、俺はガバッと飛び起きた。


「あれ……お袋? ロングのワンピース?」


「何を寝ぼけているの。早く起きなさい! 朝食を取るために皆が待っていますよ」


「はーい……あー眠い」


 階段を降りると、親父が新聞を読んでいる。

 そして、俺を見て眉間に皺を寄せる。


「全く、たるみ過ぎだ。

 お前の名前は“孤独な偉人”と呼ばれた昔の賢者からあやかったというのに……」


「名前負けしてすみませんね」


 妹の玲がからかってきた。


「お兄ちゃん? また遅くまでゲームしてたの?」


「あぁ、キャラクリしてた。眠いわ……」


 紅一兄貴がコーヒーを飲みながら注意する。


「お前も、そろそろしっかりしろ。

 成人も近いんだ」


「はいはい、兄貴と違ってどうせしっかりしてませんよ」


 俺はトーストを齧りながら返事する。


「ねぇお兄ちゃん」


「あん? なんだよ」


「紫音さんと京ちゃん、どっちと結婚するの?」


 唐突な質問に、コーヒーを吹き出しそうになる。


「ぶふっ、げほっ、げほっ!」


「美人の幼馴染二人に囲まれて、このお兄ちゃんのどこがいいんだろう?」


「お前なぁ……」


「紅一お兄ちゃんは揚さんと付き合ってるんでしょ?」


「そうだ。大学を卒業したら結婚する予定だ」


「流石、誰かさんと違って狼狽えない」


「そうだ、お母さん。今日は私、弥生さんとご飯食べて帰るから」


「最近引っ越してきた子よね? もう仲良くなったの?」


「うん、なんかお姉さんができたみたい!」


「あ、ほら、噂をすると二人が来たよ!」


 呼び鈴が鳴り、二人が上がってくる。


 京が俺の顔を睨む。


「龍輝、早く準備しないと遅刻しますよ」


「わかってるよ。あれ? その双魚のブローチって前から身につけてたっけ……?」


「何を言っているの? 龍輝が旅行のお土産にってくれたものでしょう?」


「あぁ……そっか、そうだよな。あれ……? なんで目から涙が……」


 紫音がふてくされた顔で睨む。


「私のお土産を忘れていたというのは何事だ」


 申し訳なさそうに両手で拝む。


「あーいやー、そうだっけ? 今度埋め合わせするから」


「ふん、まあ良いだろう。近々剣道の試合があるからな、練習に付き合ってもらうぞ」


「紫音の練習に付き合うと長いんだよなぁ……」


 京が口角を上げる。


「それでは、私と図書館で勉強しますか?」


「私の埋め合わせだろう!」


 そう言って紫音が俺の右腕を組んだ。

 すると反対側から京が俺の腕を掴み、紫音を睨む。


「“今回は”譲りませんから!」


 紫音が訝しげに聞く。


「何だ? 今回って」


「何でしょうか……でも何となく出てきました」


 平和な世界で……

 もう一度、大事な人達と穏やかな日々を……


 俺は何か聞こえてきた気がして周りに聞いてみる。


「あれ? 誰か何か言った?」


 誰も反応しない。空耳か?


 紫音と京が同時に話す。


「ところでそんなに眠そうに、遅くまで何をしていたんだ?」

「ところでそんなに眠そうに、遅くまで何をしていたの?」


「あぁ、歴史シミュレーションゲームで自作一族を三百人作ってたんだ」

これにて

「中華風異世界で目覚めたら、自作一族の少年だった」

完結となります。

初投稿、初連載、初完結の拙作でしたがいかがでしたか。

ここまで読んでくださった方がいれば幸いです。

本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
完結おめでとうございます。初投稿初連載、とても楽しませていただきました。これからも応援しております。
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